青年マンガの感想・レビュー15402件<<430431432433434>>スペリオール新人賞大賞受賞作 #読切応援スカートじゃ走りにくい 結木万紀子名無し親から虐待を受けている子供を描いた漫画は多くて、正直なところ目をそらしたくなる題材ではあるけど、それぞれの作家がそれをどう描くかというのはやっぱり気になる。 画力の点では拙い部分があるけど(主に背景)、主人公の岬が苦しみを共有することで親しくなる釘宮さんにはとても魅力を感じました。卒業式に出ずに東京へ行った釘宮さんのその後にはびっくりしたけど、彼女が(たぶん)自分で選んだ道だし、ある意味いままで自分を見下していた親や同級生、教師を見返すことに成功している。 その強さがあるかどうかで2人の道は別れた気がするけど、岬には味方が居たけど釘宮さんには居なかったという見方もできる。 最後の岬の涙の意味を考えたけど色々ありすぎるなと思いました。女生徒と女教師の秘密の逢瀬裸のマオ もぐこん名無し骨が浮き出るほど痩せている少女・マオと、彼女をデッサンモデルに誘った美術部顧問(女性)の短い逢瀬のはなし。 SNSでとてもたくさん反響があった様子で、気になりくらげバンチで読んでみました。 https://kuragebunch.com/episode/10834108156723939020 家庭の事情により不健康な生活を送っているマオの世話を焼く先生は、ただの教師と生徒として以上の感情を持ち、マオの前でそれを隠すこともなく接していた。 けれど、そんな絶対に知られてはいけない秘密の時間は、ある時あっけなく終わってしまう。 この先生は倫理に反する、むしろ犯罪ともいえる行為をしているけれど、それによりマオの心や身体が傷ついたということではなく(少なくとも作品の中では)、いち読者としては終わり方に切なさを感じました。 マオの華奢過ぎるからだと無知で未熟で無防備な様子はこちらをハラハラさせる部分もあって、ある意味先生がそばにいることで安心感が生まれていた。 でも切ないながらも、あれで良かったんだと思えるラストでした。 真面目なこというとマオの身体を見てまわりの大人が然るべき対処をするべきだったw これこそ読み手の感想が分かれる作品だと思うので、他の人の感想も知りたい。不気味で歪んだ愛血の轍 押見修造おさむ不気味で歪んだ愛情。息子のために、他者を排除しようとする母の様子は一言で言えば異常です。現実であればこんなにも気持ち悪い現実は受け入れられませんが、漫画だからこそ引き込まれてしまうストーリーでした。結末が気になる作品です。漫画だからこそ描けた絶望人間失格 古屋兎丸 太宰治野愛太宰治『人間失格』を漫画化した作品。 原作をそのままなぞっているのではなく、現代的かつメタ視点で描かれている。 古屋兎丸先生自身がインターネット上で大庭葉蔵の日記「人間失格」を発見し、読み進めていくというストーリー。 読者は古屋兎丸の目を借りて、葉蔵の人生を追いかけていくことになる。 父を憎みながらも実家の金で裕福に暮らし、仕送りが打ち切られれば女の家に転がり込む姿に、最低だ罪人だと責めたててしまいたくなる。 煙草屋の娘に恋をして、1日に何度も煙草を買い、素直になれず揶揄う姿はなんとも可愛らしい。 他者の目を挟むことで、葉蔵という人間の可愛らしさや狡さ、いやらしさがより鮮明に浮かび上がる。女を誑かす様子なんかは、原作よりも真に迫るものがあるような。 小説『人間失格』も葉蔵の日記を読む他者の視点で描かれている。漫画『人間失格』も同じだが、古屋兎丸視点で古屋兎丸の絵で描かれているので、メタ要素がより色濃く感じられる。 葉蔵を見つめる読者である古屋兎丸を見つめる読者である自分自身。古屋兎丸の目が自分自身の目となり物語に飲まれていく。 嫌悪、軽蔑、共感、友愛…葉蔵に対して様々な感情を抱きながら、共に絶望の果てに追い込まれる自分自身をまざまざと見せつけられる。 小説『人間失格』からは「ただ、一さいは過ぎて行きます。」という一文が示す通り、すべてが過ぎ去ったあとの凪のような絶望を感じた。 対して、漫画『人間失格』からは今まさに激流に飲み込まれて苦悩しているような生々しい絶望を感じた。 それぞれの絶望の味を是非読み比べてみてほしい。 古屋兎丸先生の人間失格が素晴らしかったので 津軽×魚乃目三太先生とか、斜陽×えすとえむ先生とか 相性の良さそうな太宰×漫画家を妄想するのが楽しい…駆込み訴えをどうにか現代設定(どうやって)にしてゴリゴリのBLにしたりとかめっちゃ見たい スコアメイクに悩む中年ゴルファー必見です腹ぺこゴルファー石丸耕作 石井さだよし 山口都志馬名無し50代になってからゴルフにハマり、ゴルフ漫画を貪り読んでいる私にとって、主人公の石丸耕作は理想のゴルファーです。メタボ中年、食いしん坊という共通点はあるものの、ゴルフの腕前だけは真逆。いつか石丸のようになって、私の凡ミスを笑う同僚を見返してやりたいと思わせてくれる作品です。スコアメイクに悩む中年ゴルファー必見の一作です。冬目景の単行本未収録読切&インタビュー本イエスタデイをうたって afterword 冬目景名無し2020年春アニメ化された「イエスタデイをうたって」のファンブック的な一冊です。 最終回の後日談を描いた『イエスタデイをうたって 特別編―11・S14―』や、単行本未収録の読切『夏の姉』が収録されています。 貴重なインタビューも載っています。 あまりにもスローな連載だったので、本当に完結するのか不安でしたが、20年近く経て、こうしてファンブックが発売され感無量です。 ジワジワと読みたくなる漫画カワセミさんの釣りごはん 匡乃下キヨマサ名無し金髪ヤンキー娘と真面目少女の良くある組み合わせのコンビで物語は進んでいくが、釣りと料理の描写が手抜きなくされているのに好感がもてる。 昨今“〇〇めし”というジャンルの漫画が増えているが、そのなかでは“釣り&アウトドア”という流行りのスタンダード、悪くいえばありきたりな素材を用いている。 だがそれをありきたりだと思わせない良さがある。料理、釣りシーンの表現力とコミカルな登場人物たちのバランスが優れているのだろう。 次は何の魚を釣るのだろう?と興味を抱かせてくれる漫画と言っていいだろう。 亡くなった人の音が聞こえる女の子いまかこ 松浦だるまPom 今まで自分が感じたことのない感情が湧き出てきて、どんどん物語に引き込まれていった。 渦子は幽霊の音が聞こえるんだけど、日常生活が亡くなった人間が残した音に塗れる日々ならば怖いよなと素直に思う。 渦子の担当の鶴見先生も、馬車の幽霊と名付ける能力を持っていて、この二人を中心に物語には進んでいくんたけど、描写が綺麗でリアルさを感じる分、幽霊の描写にゾクゾクとしてしまった。 若干、自分には難しく感じたので二度読みしましたが、二度読んでも面白い話だなと思った。さえない生活をしてる人々が主役LOW LIFE 大嶋宏和喫茶マンハッタン作者さんがアメリカンコミック好きらしく右開きの漫画になってます。一話完結の短編集ではありますが、登場人物たちが住んでいるのがおそらく同じ街なので「LOW LIFE」な人々を描いた連作としてまとまりがある一冊になっています。舞台は日本なんですけど海外マンガっぽい雰囲気があるのは、絵柄だけでなく主人公達の「さえない」感じが新しいからかなと思います。日本の漫画のさえないキャラクターってド貧乏な場合が多いですよね。この作品では現代にフィットしたさえなさだなと思います。帯にもありましたが「グレー」だからこそ共感するんです。なのでシュチュエーションは違ってもどこか自分と重なるように感じるので、読んでると痛くない腹を探られてるような気分にもなったりします。でも二度と読みたくないなんて思わず、逆に繰り返し読みたくなるから不思議です。まさに苦味が旨味のような深い一冊でした。デリバリーシンデレラデリバリーシンデレラ NON名無し普段の顔は女子大生だけれど、夜はデリヘル嬢の顔を持つデリヘル嬢の物語。デリバリーされる女の子をシンデレラと呼ぶのはちょっと美化しすぎかな?まぁ、こういう女子って結構いるんだと思いますが、明るく風俗嬢について語られていてるのは、現実離れしてるとはいえ、そこは漫画なので逆にヘビーな感じではないのが良かったです。登場する一人一人のデリヘル嬢にそれぞれのストーリーがあり、いろいろ考えさせられた作品でした。 生死をかけた狩猟の現実と善悪を問うクマ撃ちの女 安島薮太六文銭3巻目になって、自分好みに面白くなってきた印象。 主人公はライターで、女性猟師チアキと一緒に狩猟現場の取材をするという話。 1巻は、狩猟の現実とか銃の扱いとかがメインだったが、2巻の最後チアキ(と、その姉)の過去の話からグッと奥行きがでて、3巻では、いわゆる違法行為を平然とするが狩りのスキルは高い師匠の話で、じわじわと自分好みに面白くなってきた。 こういうアウトローな強キャラが好きなんですよね。 なんで、出てくるとテンションあがります。 主人公たち(得てして正義、正論)とは違った独自の美学をもっていたり、キレものだったり、強さにブレがなかったりするので、謎のカッコよさがある。 主人公たちとは違う価値観で己の正しさを見せつけてくれるんです。 (るろ剣の斎藤一みたいな) そんな、チアキの師匠もすごい。 獲物がいないのに銃に弾を込めてる状態は違法なようですが、そんなものは無視。 山の中で、急に襲われて誰が守ってくれる?法律が守ってくれるのか? と言わんばかり。 確かに正論だ。 安全のために法があるはずだが、狩猟現場で安全はどっちなのか? 誰にとっての何の法なのか? 考えさせられるフレーズだ。 野生動物たちが相手の常識が全く通用しない世界に、何でも利用すると豪語する師匠。 銃、車、知識、経験を使いこなし、手際よく効率的に狩りをこなす。 邪魔な法律は無視。 目的のために、手段を選ばない男。 どっちが正しいとか言えない。 結局、ルールを守っても、死んでしまえば意味がないからだ。 ライフルとか狩猟の現場が中心で、クマを撃つとか撃たないとかの話で終わるかと思ったが、こうした法の遵守的な善悪の話もでて、ストーリーに深みがましてきた。(これも現実といえば現実だが) 3巻最後が衝撃的で、師匠どうなるんだろう…。好きなゲームは「17ポーカー」LIAR GAME 甲斐谷忍名無し甲斐谷忍氏考案の各種のゲームが面白く、対戦毎にワクワクさせてくれます。私がNo.1に好きなゲームは「17ポーカー」です。リフルシャッフル・ヒンズーシャフルとの言葉を覚えたのもこの漫画です。主人公の神崎直(馬鹿正直の直)の人を信じる態度が、殺伐とした騙し合いの中でも人を纏められて行く様を描いた作品だと思います。TVドラマや映画で残念な部分が、敵役である福永ユウジが普通の男性であり、漫画内で描かれる圧倒的に魅力的な空手5段のニューハーフでない事を追記して置きます。 心に残る演出がとても上手い坂の町 嵜山弓甘いか太郎絵がとにかく綺麗でうわ〜こんな素敵な作家さんを今まで知らずにいたなんてワシの目はフシ穴じゃ〜!と思ったのですが、最後のページに「本書は、自費出版として発表された作品に描き下ろしを加え、一冊に編集したものです。」の一文があり、どうやら雑誌に掲載された作品はないようです…。こんなにプロ級の腕を持った方がアマチュアで活躍されていたということでしょうか?世界ってすごいですね! ある日突然かぐや姫になっちゃった恋人の話とか普通じゃない設定の短編もありましたが、片思いしてる先生と相合傘したいけど言い出せない女の子の話みたいに、よくある展開でもハッとするような見せ場があるので面白かったです。他の作品も読んでみたくなった作家さんでした。 狂わされたい女性を描いたら右に出るものはいないぱンすと。 岡田和人野愛人を狂わせる女性を描くのがほんと上手…。 恋と性欲の区別がつかない思春期に、加具矢先生のようなセクシーでエロくてミステリアスな女性に出会ってしまったら、もう後戻りできなくなる。 僕にはわからない経験や秘密があるんだろうな、というのがまたたまらない。思わずわたしも思春期の男子になってしまう…。 先生と生徒の関係だから終わりがあるんだろうなと思うと切なくて、胸が締め付けられる。 思わずわたしも先生とずっと一緒にいられるように狛犬にお願いしたくなってしまうのでありました。 フェティシズムと切なさの関係性を岡田和人先生は熟知している。天才。 すんドめの胡桃が大人になっていたら、こんな女性に成長していたのかな…おもしろい今日からCITY HUNTER 北条司 錦ソクラ 「CITYHUNTER」北条司名無しシティーハンターが大好きな40才の女性がタイムスリップしたら女子高生の姿になって、シティーハンターの漫画世界に迷い込んでしまうお話。 想像以上に、絵は原作の世界観に近い感じで再現されていて驚きました。 原作の元ネタを知っていればより楽しめると思います。読むとスタジアムに行きたくなるぺろり!スタグル旅 能田達規名無し千葉の2部チームを応援する女性サポーターコンビが、日本各地のアウェイスタジアムグルメを巡ります。Jリーグ観戦、とくにJ2観戦の醍醐味は、ご当地グルメにあり!といった感じで、サッカー好きの作者(※愛媛FCサポーター)が実際に取材して味わったスタグルが取り上げられています。日本独自のサッカー文化を楽しめる漫画です。 異才の原点ツノウサギ 柴本翔ナベテツ柴本翔先生の作品は、「パンデモニウム」を最初に読んだのですが、その後にこの作品を読みました。パンデモニウム~ダキニと続く柴本作品の原点であり、柴本作品以外では中々見ることの出来ない(そして近年珍しい)、西洋のお伽噺を感じさせるファンタジーだと思います。 紡がれる物語には、作者の抱えた「何か」(恐らくそれは創作の原点とも言える衝動なのではないかとも思います)を感じさせ、この世界で作者が描きたいものに一読者として強く惹かれます。 大昔、とあるゲームのコピーとして物議をかもした「竜退治には、もう飽きた」というフレーズかありました。剣と魔法という王道のファンタジーに食傷気味の方に勧めたいと思います。とにかくギャップ萌え早乙女選手、ひたかくす 水口尚樹名無しヒロインの早乙女選手がとにかくとにかく可愛い。。強く凛としたヒロインにも、実は女性っぽいところがあって、それが自分にしか見せない、、、いやーこのギャップがたまらないですね。主人公がまた、ちょっと押され気味なんだけど、最終的にはちゃんとリードするところが良い塩梅。故郷を思い出して涙昭和の憧れの一皿 洋食やたいめいけん三代目の思い出 オムライス他 高梨みどり 茂出木浩司名無し燿子の母親に自分の母親を重ねてしまい泣いてしまった。まるで子供時代の燿子は私と同じ。実家は田舎にあり、毎日の食事は田舎の煮物が中心。おやつはお芋。オシャレな料理をするお母さんに憧れ、母の食事を嫌っていた子供時代の燿子。大人になってようやく分かる母の健康的で栄養たっぷりの料理。私も母が元気な時に燿子のように素直になれたら良かったと思った。故郷から遠く離れた場所に住んでいる人は是非この作品を読んで故郷を思い出し、たまには実家に帰ってみてほしいと思う。島津郷子先生の可愛い絵と素敵なストーリーでひと時の癒しの時間をどうぞ。 この設定掘り下げていくと実は深いのでは?妻、小学生になる。 村田椰融名無し一巻読みました。 まず東野圭吾の秘密って言う本を思い出しました。 妻が輪廻天生で自分たちの元に戻ってくる、まではよくあるんですけどそっから先掘り下げていくとこの話実は深いのでは?! 一巻読んだだけでそんなことを想起させられます。主人公の真っ直ぐな力強さ新宿スワン 歌舞伎町スカウトサバイバル 和久井健名無し新宿のキャッチ、ホストのお話です。夜の世界の中で、タツヒコの真っ直ぐさが、人に影響を与え、前向きな気持ちにさせてくれます。それぞれのキャラクターに独特の信念、華があってカッコいい。シリアスな場面での緊張感、展開の面白さはクセになります。あらゆる角度からミステリをネタにしたギャグ漫画メフィストの漫画 喜国雅彦 国樹由香名無し本格ミステリ好きの「漫画家夫婦」が自分達が ミステリを愛して尊重して一喜一憂した経験と知識を元に ミステリを分析したりパロディ化したり、 褒め称えたり、重箱のスミをつついたり、ディスったり。 そういった、あらゆる角度からミステリをネタにした漫画の選集。 実際の経験談をネタにしたのだろーなー、という話や、 ミステリ作家と交友があって仲がいいから描けるんだろーなー、 という話も多い。 こういうマニアックなネタをエセやニワカのファンが描いたら どこかしら嘘くさかったり嫌味っぽい感じが漂うもの。 だがこのコミックからは全くそういう香りがしない。 自分はけしてミステリに詳しくないのだけれども、 それでも、喜国先生がホントにミステリ好きで、 (古書マニアでもあられるようで) マニアならではの読書歴や知識がなければ産み出せなかった であろう各短編漫画だろうということは感じとれます。 付け焼刃のミステリ知識じゃあ絶対にこんなギャグやオチの 発想は出来ないよな、と感心します。 喜国先生がミステリのイチ読者として経験した衝撃とか、 ミステリ作家と漫画家という同じくともに作家として、 自分の作品のネタやアイディアがかぶったりとか 見透かされたり、ばらされたときの、作家としての苦悩とか、 そのへんをギャグにしている話とか 読者(第三者)という気楽な立場から読ませてもらうと 堪らなく面白い(笑)。 しかしまあ恐ろしく効率の悪い漫画とも言えるでしょうね。 ミステリ・パロディのギャグ漫画一作、 それを描くために肥やしとなった喜国先生の それまでの読書量はいかばかりだったか? 一つのネタ、一つのオチが、どれだけのマニアックな時間を 過ごしたことから産み出されたカケラなのか? もしもこういう漫画を描こう、だから今からミステリを読もう、 などと考えてそこから取り組んだら、 絶対に完成しない漫画ですね。 まさに超ミステリマニアが優秀な漫画家でもあったから出来た 奇跡のマニアック趣味コラボ漫画(笑)。 ゲスの極み漫画ヤラセテおじさん 赤塚不二夫あほえもん赤塚作品の中では、最もゲスい部類の漫画じゃないだろうか。 その名も「ヤラセテおじさん」。 ハーメルンの笛吹きのように、尺八を吹くと人を意のままに操ることができるエロアイテムを使い、飲み屋などで下世話なエロ話をしては、最後は女性に対して「ヤラセテ!!」と無邪気にお願いして持ち帰るまでが一連の話のパターンとなっている。 ときには若者を諭すようなチョット良い話もあるのだが、大抵はゲスの極みとしか言いようがないネタばかりである。 絵面がゲスいわけではなく、とにかく発想がヤバいのである。 一体どういう考え方をしたら、こんな酷いネタを思いつくのか…。(褒めてる) まさかこれが少年誌に?と心配になり、掲載誌を調べてみたところ、1987年の「週刊大衆」であった。 なるほど。松本大洋作品はやはりいいむかしのはなし 松本大洋 永福一成名無しここが好きでした。 丸コマ<<430431432433434>>
親から虐待を受けている子供を描いた漫画は多くて、正直なところ目をそらしたくなる題材ではあるけど、それぞれの作家がそれをどう描くかというのはやっぱり気になる。 画力の点では拙い部分があるけど(主に背景)、主人公の岬が苦しみを共有することで親しくなる釘宮さんにはとても魅力を感じました。卒業式に出ずに東京へ行った釘宮さんのその後にはびっくりしたけど、彼女が(たぶん)自分で選んだ道だし、ある意味いままで自分を見下していた親や同級生、教師を見返すことに成功している。 その強さがあるかどうかで2人の道は別れた気がするけど、岬には味方が居たけど釘宮さんには居なかったという見方もできる。 最後の岬の涙の意味を考えたけど色々ありすぎるなと思いました。