4.0
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作者さんがアメリカンコミック好きらしく右開きの漫画になってます。一話完結の短編集ではありますが、登場人物たちが住んでいるのがおそらく同じ街なので「LOW LIFE」な人々を描いた連作としてまとまりがある一冊になっています。舞台は日本なんですけど海外マンガっぽい雰囲気があるのは、絵柄だけでなく主人公達の「さえない」感じが新しいからかなと思います。日本の漫画のさえないキャラクターってド貧乏な場合が多いですよね。この作品では現代にフィットしたさえなさだなと思います。帯にもありましたが「グレー」だからこそ共感するんです。なのでシュチュエーションは違ってもどこか自分と重なるように感じるので、読んでると痛くない腹を探られてるような気分にもなったりします。でも二度と読みたくないなんて思わず、逆に繰り返し読みたくなるから不思議です。まさに苦味が旨味のような深い一冊でした。