燃えよ剣

やっぱり土方は格好いい#1巻応援

燃えよ剣 小松エメル 司馬遼太郎 司馬遼太郎 奏ヨシキ
六文銭
六文銭

昨年映画をみて、GWの長期休暇中に原作も再読したところに、このコミカライズと出会う・・・絶賛『燃えよ剣』に絡め取られております。 が、どのメディアでも土方は格好良くて、シビレてます。 内容については、原作が有名だし、新選組の副長「土方歳三」も有名だし、ある程度認知はあるかなと思うのですが・・・ あえて本作の魅力を上げるとすれば(1巻時点ですが)、『燃えよ剣』の土方歳三を忠実に再現していること。 原作ファンも十分楽しめる点だと思います。 私的に『燃えよ剣』の土方歳三の魅力は、怜悧冷徹な鬼の副長、戦術の鬼才としての名参謀的な面だけでなく、根っからの「喧嘩師」としての側面が魅力だと思っているんですよね。 駆け引きとかではなく、拳と拳、意地と意地。 身分制度から武士になれない、何ももたない人間だからこそ、戦って勝つことだけに自分を見出した喧嘩一本の生き様。 最初から最期まで、対人だけでなく、それこそ国に対しても喧嘩している感じ。 これが格好いいんすよね。 本作は、そんな土方の満たされない、腹に煮え切らない何かをもって泥臭く戦う様がありありと描かれていて、原作ファンとしてはたまらなかったです。 原作ファンも、土方ファンも、ぜひご一読してみてください。 余談ですが、降伏して明治政府の新体制で獅子奮迅の活躍をした人間よりも、降伏せず最期まで抵抗した土方歳三みたいな人間にロマンを感じるのは、不思議なものですね。 実際に、現場にいたら「めんどくせーやつだなー」とか言っちゃいそうなのに、歴史だと格好いい。 やはり人間は成したものと同じくらい生き様に惚れるのでしょうね。

ぐるぐるクリーチャー

仲良しのお別れあいさつはオボエテロ!

ぐるぐるクリーチャー ウエクサユミコ
サミアド
サミアド

TVゲーム雑誌『ドリームキャストマガジン』と後継誌『ドリマガ』で連載された箸休めマンガです。 作者はゲーム『神機世界エヴォリューション』のキャラデザを担当したウエクサユミコさん。 最初は1話1p。途中から2pになります。短っ。 軽いコントのような内容で独特の雰囲気を楽しむ漫画です。フルカラー。単行本企画で当選したサイン色紙は宝物です。 ぐるぐるメガネの中学生、ぐるぐる は『ぶくぞわ』好きのマッドサイエンティスト。自ら生み出したクリーチャー達とドタバタな毎日を過ごします。 ぷにすべ美少女メイシーさん、ツルテカ好きメカマニアあやせくん、オカマ美少女広島くん とは良き友人…友人かな…? まあ…… 友人です。 ロボ娘ゆっきぃちゃんも可愛いです。 ぶくぞわクリーチャー達はイロモノが多く、謎の教師や最恐ママも準レギュラー。ヒロインの妻型クリーチャー『あおいちゃん』はぷにすべで超可愛いですが、お腹には別人格(オッサン)の人面瘡? 『あおいさん』も居るので、ぶくぞわ好きも安心! 各話は「オボエテロ」のセリフで締めるのがお約束。色んなキャラが色んなシチュエーションでオチをつけます。 可愛い世界観が好きな作品なので、復刊は無理でも電子書籍化して欲しいです。 オボエテロ!

怪獣になったゲイ

人それぞれのアイデンティティ

怪獣になったゲイ ミナモトカズキ
さいろく
さいろく

大人になった今、振り返ると子供の頃は視野が狭かったことがわかる。 それは色んな生き方を知り、憧れや妄想、時には挫折なんかを味わい、知識を得て世界が広がってきたから今と比べたらそうだ、というだけなのだと思う。 LGBT(Q+)が今では自由として認める風潮があり、良いことであると思う反面、わからないものに対する人の態度までを制限するのは違うんじゃないかという気持ちもちょっとあるんだけど(強く思うわけでも議論したいわけでもないし、擁護したいわけでもないですが)これは自分がもう大人になってしまっているからに他ならない。 実際に"ノーマルではない"ことを苦にしている子たちは視野を広げる事が出来ない狭い世界に閉じ込められてしまっているのかもしれないと思うと、子供の頃の残酷な無邪気さは命に関わるぐらい大きな問題なのだろう。 最近は幸せなBLばかり読んできたんだなーと非常に強く感じる、心に刺さる作品だった。 添付は愚かな男の例としてわかりやすいシーン。最悪である。上の言い方でいうとこいつは視野が広がることも、広げる必要性も感じずに生きてきた大人になるのだろう。