掲載誌情報週刊ヤングマガジン講談社2024/11/18サタノファニ/だれでも抱けるキミが好き/ねずみの初恋/怪獣カムイ/INNU-イッヌ-/聖くんは清く生きたい/満州アヘンスクワッド/伽藍堂のガラクタたち/ペイント/パラレルパラダイス/パリピ孔明/アンダーニンジャ/1日外出録ハンチョウ/税金で買った本/賭博堕天録カイジ 24億脱出編/彼岸島 48日後…/ヤニねこ/喧嘩稼業/ザ・ファブル/みょーちゃん先生はかく語りき/雨と君と/平成敗残兵すみれちゃん/アマチュアビジランテ/サツドウ/月曜日のたわわ/何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?/白地図のライゼンデ/ゴールデンドロップ/LILI-MEN/GTO パラダイス・ロスト/7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT/はかばなし/なんでここに先生が!?/みなみけ/NeuN/イジメ0の学校/スキャンダラ/MFゴースト/PEEP/ゴールデンマン/ONE FOR ALL/グラ・ディミオス/ドラQ/シガンバナ/レベリオン/サイコメトラー/×××HOLiC・戻/咲花ソルジャーズ/追放された転生重騎士はゲーム知識で無双する/ちゃんと呪ってイチコちゃん/
作品情報著者三ト和貴arrow_forward_iosカテゴリ青年マンガarrow_forward_ios出版社講談社arrow_forward_iosレーベル週刊ヤングマガジンarrow_forward_ios掲載誌週刊ヤングマガジンarrow_forward_ios
ある日、トイレで吐いた吐瀉物はむくむくと好きな人の形へと変化し、それ以来部屋では彼女と、思ったことを思ったように好き放題行っていた。 思春期に、自分勝手で利己的であった自分から、他人との境界線を感じ、思うようにできるものとできないものを理解し、ひとつ殻を破るまでのお話。 人はある時期まで、万能感に包まれなんでも出来る気がするし、他人は自分の望むことは何でもしてくれるものだと思ってしまうフシが誰しもある。 それは、母性由来の影響だと僕は思っていて、子の望むことに対して極力親は叶えてあげたいもので、それが「願い事は基本的に叶う」という万能感につながる。 無理なものは無理で、他人や他人の心を自分の好きなように動かすことなんて基本的にはできないし、無理やり好きなように行動させられたとしてもそこに心はないといつかは悟るはずだ。 そこのややこしいところを、思春期に日常の対人関係の中で一歩踏み込んだ人ととの対話で自然と学んでいく。 それは部活であったり友人であったり恋人であったり。 その通過儀礼を若い時期に果たせなかった人たちがたまにいるヤバイ大人やクレーマーへと化けるのだ。 他人は「お母さん」ではない。 なので、ある意味、この主人公は自分のお母さんとセックスしまくっていたことになる、と考えたらまさに「吐き気」が止まらない。 少し不思議で手痛い授業料だったが、これで一つ大人になった。 主人公がこの体験を客観的に言語化してキチンと自覚できるようになるのはまだ先かもしれないが、感覚で分かっているはずだ。 他人を思う通りにしようなどおこがましい。 好きな人は、モノを扱うように好きにできるものではなく、一人の人格を持った者だ。 "だからこそ"面白いし、恋焦がれる。 甘く切ないひと夏のいい想い出。 この経験を糧に、これから主人公は本当の意味で恋をしていくのだろう。 あー、考え様によっては人生は面白くなっていくように作られているんじゃないだろうか。 最高かよ、人生。