それはDAYS NEOから始まった #13 新連載『白地図のライゼンデ』パミラ先生インタビュー|公式お知らせ|DAYS NEO -デイズネオ-
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マッチング型マンガ投稿サイト「DAYS NEO」への投稿から連載に繋がった作者の作品を紹介する「それはDAYS NEOからはじまった」、第13回! 今回はDAYS NEO投稿でマッチングを果たし、11月14日発売の週刊ヤングマガジン50号より連載がスタートする『白地図のライゼンデ』の作者パミラさんと担当編集チームの皆さんに連載に至るまでの経緯や、作品に込められた思いをお聞きしました! 作品紹介 『白地図のライゼンデ』 11月14日発売の週刊ヤングマガジン50号より連載がスタート! 『白地図のライゼンデ』 /パミラ 魔物が潜み 生まれる暗闇 、”未測定領域”。 人類は、地図を描くことで魔に抗った。 獣の少女と剣士が出会うとき、 未踏の"測量"ファンタジーが始まる! 『白地図のライゼンデ』 チームの紹介 パミラ 千葉県出身。第85回ちばてつや賞ヤング部門にて、『そして陽気な悪魔は囁く』で優秀新人賞を受賞。2022年11月からヤングマガジンにて『白地図のライゼンデ』を連載開始。 ヤングマガジン白木 『白地図のライゼンデ』担当編集。 茨城出身。 現在ヤンマガ9年目。 マンガWEB&アプリ「コミックDAYS」の編集も兼任で、ヤンマガ班のチーフを担当。 担当作/ 『満州アヘンスクワッド』、『魔女と野獣』、『推しが辞めた』、『カスミ荘の漫画家志望達』 トロニー 『白地図のライゼンデ』担当編集。 内モンゴル自治区出身。 担当作/『満州アヘンスクワッド』、『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』 DAYS NEOに投稿したきっかけ — パミラさんの漫画歴、DAYS NEOに投稿しようと思ったきっかけ、DAYS NEOに対する最初の印象。担当希望が来たときに感じたことを教えてください。 パミラ:元々趣味で4コマ漫画をネットに上げてました。他の出版社でweb漫画を描いたり同人誌を作ったりしてるうちに、自分の創作漫画に対してもっと多様な意見を聞きたいと思い、DAYS NEOに投稿し始めました。下書き状態の物でも意見が貰えるのだろうかと思っていたのですが、白木さんから連絡が来たので「本当に読んでるんだ…」と思いました。 DAYS NEOに投稿された作品 『モルブスの子供たち』(パミラ) マッチング後、担当と初めて話したときの思い出 — DAYS NEOで出会って、実際に二人で話をしてみてどう思いましたか? パミラ:今まで漫画の内容に対してあまり意見を言わない編集さんとしか仕事をしてこなかったので、白木さんと出会ってその熱量に圧倒されたのを覚えています。多くの作家さんを抱えている中でも、作品に対してしっかり相談してもらっているので大変助かっています。 白木:とてもフランクで話しやすい方でした。一方で非常にガッツのある方で、打ち合わせで修正をお伝えするたびに想定以上にネームが良くなるので、ご自身の中で修正点を咀嚼して常に要求を超えようとしてくださっている感じが素晴らしいと思っています。 —新連載『白地図のライゼンデ』の内容と、マッチングしてから連載立ち上げに至るまでの経緯を教えてください。 白木:『白地図のライゼンデ』は“測量士”を題材にした、世界開拓ファンタジーです。主人公は、貴族の奴隷として働く獣の少女・リタ。天才的な測量術を持ちながらまだ世界を知らないリタが、“戦士“や“指揮者”といった仲間を集めて世界中の未測量地帯へと挑みます。 2021年にパミラさんに担当希望を受諾していただいてから、電話で最初の打ち合わせをし、「次のちばてつや賞で優秀新人賞以上を取って、2022年までに連載ネームを通そう」という目標を立てました。最初からとても漫画力の高い新人さんだったので、一発目のちばてつや賞で『そして陽気な悪魔は囁く』という作品で見事に優秀新人賞を取り、そこから連載ネームを進めることになりました。連載は2022年の4月に決まったので、連載獲得までは他の新人さんと比べても抜群に早かったと思います。 ちばてつや賞優秀新人賞 『そして陽気な悪魔は囁く』(パミラ) 連載企画を進めるにあたり、「現代版わらしべ長者の話」や「妖精の隠れ家の話」など他の企画もパミラさんから頂いていたのですが、その後に頂いた「開拓員の話」の企画書が面白そうで、強く興味を惹かれたのを覚えています。その時点で「測量士(ドロワー)」、「戦士(ディフェンダー)」、「指揮者(キーパー)」などキャラの役割も明確に決まっていましたし、お話していてもパミラさんの中で一番設定がしっかり定まっている感覚があったので、そこから内容を相談しながら企画を立ち上げていった感じです。 ー パミラさんとの打ち合わせはどのように行っているのでしょうか? 白木:基本は電話での打ち合わせです。大まかな方向性を下打ち合わせした後に、パミラさんからプロットを頂いて、再度打ち合わせをしてネームを進めるという感じです。ネームの段階でも何回か打ち合わせをします。パミラさんのご要望で、一度僕が意見をまとめたものをLINEでバーッと長文でお送りし、それを読んでいただいた上でお電話する形になっています。ネームに直接赤字を入れたものをお送りすることも多いです。 今はまだ原稿を溜めている期間ですが、これからいよいよ連載が始まるので、最低週3~4回は打ち合わせすることになると思います。 『白地図のライゼンデ』ネーム原稿 新連載「白地図のライゼンデ」の世界観 — 新連載で「地図」をテーマにした理由を教えてください。 パミラ:地図そのものの多様性に気付いたのがきっかけでした。聖地を目指す者の為に伝聞と想像だけで描いた物や、何千年もの川の形を年代ごとに記録したものなど、地図には一つ一つ目的があり作られています。そこにファンタジーを組み合わせたら楽しそうだなと思い、企画を作りました。 『白地図のライゼンデ』で重要な役割を持つ「地図」と「測量」。 未測定領域には危険な魔物が出現する。 地図作りは人々の暮らしの平和に直結するのだ。 ー 『白地図のライゼンデ』の魅力を担当編集よりお聞かせください。 世界を知ることの喜びを何よりも感じられる作品だと思います。「獣」として差別され、奴隷として世界から隔絶されていた主人公リタが、持ち前の明るさと天才的な測量術を武器に、仲間と一緒に世界を開拓していく気持ち良さを是非感じてほしいです。この作品が“測量ファンタジー”という未測量地帯を切り拓く作品になることを願っています。 『白地図のライゼンデ』 11月14日発売の週刊ヤングマガジン50号より連載スタート! 第一話試し読みはこちら! 週刊ヤングマガジンの紹介 週刊ヤングマガジン公式サイト 「ヤングマガジン」では、『ザ・ファブル』、『マイホームヒーロー』、『一日外出録ハンチョウ』、『雨と君と』、『満州アヘンスクワッド』などの人気作品が掲載中! 何でもアリな青年誌ならではのラインナップで、幅広いジャンルでの連載が可能です。 月刊ヤングマガジン・ヤンマガWeb・コミックDAYSなどでの連載枠もあり、掲載ペースや希望媒体も選べます! ぜひご投稿ください!
大昔はRPGをプレイするときに自分で紙にダンジョンのマップを描いて攻略していて、悪質な罠や凶悪な敵に阻まれながらも少しずつ乗り越えていくのが楽しかったなぁと思い出します。 その頃、方向音痴なマッパーを主人公とする大人気ファンタジーライトノベルにハマっていたので、地図を作るという行為に対しては基本的に好意的な思い出しかありません。オープンワールドで少しずつ未開拓の地図を広げていくのも大好きです。 本日1巻発売の『白地図のライゼンデ』は、正にそんな地図作りがキーワードとなる物語。測量士が主軸となる、今年注目のファンタジーです。『ヤングマガジン』で連載されていますが、どちらかというと『シリウス』や『good!アフタヌーン』などに載っていそうなタイプのお話です。系統としては流行りのなろう系ではなく、独自の世界観を作り込んでいる純然たるファンタジーです。個人的には断然好みです。 この世界においては、″未測定領域″と呼ばれる地図の空白部分からは魔物が生まれてくるという大きな設定がまずあります。未確定領域を狭めるために、この世界の住人たちは測量士たちの力によって地図で描かれた場所を拡大していっています。そして、並の測量士と比べてもとんでもない力を持つ少女との突然の出逢いから、この物語の歯車は動き出します。もしこの能力を伊能忠敬が持っていたら日本の測量史も大きく変わっただろうなという詮無い感想はともかく、単に地図を作るというだけでなくその行為自体が戦闘面でも有用というのが独特で面白味を生んでいます。 特にこの作品で好きなのは、ところどころ見開きで描かれる壮大な世界。実際に歩いてみたくなるような豊かな自然の風景もあれば、旅の目的地となる廃都アムステルムのように禍々しくも美しさを感じさせる光景もあり。ここではないどこかであるファンタジーの世界を絵で魅力的に表現してくれる作品は堪りません。作者のパミラさんはpixivで公開されている「モルブスの子供たち」からしてファンタジーに向いた味わいのある絵の上手さを感じましたが、更に研鑽して遂にこの『白地図のライゼンデ』を結実させたのは素晴らしいことです。 旅を進めるごとに新たに個性豊かなキャラクターが加わっていくのも、実にRPG感があります。そんなキャラクターたちにも、そして世界にもさまざまな謎がありそれらが少しずつ解き明かされていくのが楽しみです。 ファンタジーが好きな方、作り込まれた世界観に酔いしれたい方にお薦めします。