あらすじ

ヤングマガジンが放つ、超本格ファンタジー巨編!魔物が潜む暗黒の地、「未測定領域」が広がる世界。不思議なことにただ“地図を描く”ことだけが、闇を祓い、人の地を開拓するための有効な手段だった。開拓者の若者・ザバはある日、未測定領域の洞窟で獣人の少女・リタと出会う。優れた耳で瞬時に測量し地図を作るその力と、奴隷の身に宿る強い意志に導かれ、ザバは開拓への同行を提案するのだった。魔物と化した人を救う可能性が眠る、「廃都アムステルム」への開拓を…!
白地図のライゼンデ 1巻

ヤングマガジンが放つ、超本格ファンタジー巨編!魔物が潜む暗黒の地、「未測定領域」が広がる世界。不思議なことにただ“地図を描く”ことだけが、闇を祓い、人の地を開拓するための有効な手段だった。開拓者の若者・ザバはある日、未測定領域の洞窟で獣人の少女・リタと出会う。優れた耳で瞬時に測量し地図を作るその力と、奴隷の身に宿る強い意志に導かれ、ザバは開拓への同行を提案するのだった。魔物と化した人を救う可能性が眠る、「廃都アムステルム」への開拓を…!

白地図のライゼンデ 2巻

「この皮肉を覆すためにアムステルムに行くんだ」 測量の天才・リタと出会った開拓者・ザバは、「廃都アムステルム」の開拓を決意! 真実を追い求める賢者、借金まみれの獣人と共に、棄てられた魔術師たちの国へと、もう戻れないかもしれない旅に出る。道行く先で出会うのは、魔物と、救いを求める人々の声と、そして一行を狙う不穏な集団。バラバラの目的を携えて旅に出た4人の実力と覚悟が試される! 世界開拓“測量”ファンタジー、第2巻!!

白地図のライゼンデ 3巻

最果ての地・アムステルムを目指す道で、獣徒解放を企てる強硬派が突如襲撃! 「全ての空の魔女」ヒメアリスに助けられ、一行は彼女の依頼で“もぐら”を探すことに!? “マテリア”の洞窟の奥で触れる、仲間の離心と、本当の目的。開拓パーティーはかつてない動揺が走るが…。その時、最果て手前の街、ベルストラが、暗黒に包まれた――。地図で最果てを照らす世界開拓“測量”ファンタジー!

白地図のライゼンデ

大注目の測量士ファンタジー #1巻応援

白地図のライゼンデ パミラ
兎来栄寿
兎来栄寿

大昔はRPGをプレイするときに自分で紙にダンジョンのマップを描いて攻略していて、悪質な罠や凶悪な敵に阻まれながらも少しずつ乗り越えていくのが楽しかったなぁと思い出します。 その頃、方向音痴なマッパーを主人公とする大人気ファンタジーライトノベルにハマっていたので、地図を作るという行為に対しては基本的に好意的な思い出しかありません。オープンワールドで少しずつ未開拓の地図を広げていくのも大好きです。 本日1巻発売の『白地図のライゼンデ』は、正にそんな地図作りがキーワードとなる物語。測量士が主軸となる、今年注目のファンタジーです。『ヤングマガジン』で連載されていますが、どちらかというと『シリウス』や『good!アフタヌーン』などに載っていそうなタイプのお話です。系統としては流行りのなろう系ではなく、独自の世界観を作り込んでいる純然たるファンタジーです。個人的には断然好みです。 この世界においては、″未測定領域″と呼ばれる地図の空白部分からは魔物が生まれてくるという大きな設定がまずあります。未確定領域を狭めるために、この世界の住人たちは測量士たちの力によって地図で描かれた場所を拡大していっています。そして、並の測量士と比べてもとんでもない力を持つ少女との突然の出逢いから、この物語の歯車は動き出します。もしこの能力を伊能忠敬が持っていたら日本の測量史も大きく変わっただろうなという詮無い感想はともかく、単に地図を作るというだけでなくその行為自体が戦闘面でも有用というのが独特で面白味を生んでいます。 特にこの作品で好きなのは、ところどころ見開きで描かれる壮大な世界。実際に歩いてみたくなるような豊かな自然の風景もあれば、旅の目的地となる廃都アムステルムのように禍々しくも美しさを感じさせる光景もあり。ここではないどこかであるファンタジーの世界を絵で魅力的に表現してくれる作品は堪りません。作者のパミラさんはpixivで公開されている「モルブスの子供たち」からしてファンタジーに向いた味わいのある絵の上手さを感じましたが、更に研鑽して遂にこの『白地図のライゼンデ』を結実させたのは素晴らしいことです。 旅を進めるごとに新たに個性豊かなキャラクターが加わっていくのも、実にRPG感があります。そんなキャラクターたちにも、そして世界にもさまざまな謎がありそれらが少しずつ解き明かされていくのが楽しみです。 ファンタジーが好きな方、作り込まれた世界観に酔いしれたい方にお薦めします。