あらすじ

「俺…、ただお前とバンドやるのが楽しくて… それだけだったから…」「でも、クリプレのライブは瞬がいなくちゃ、幕が上がらない」「俺、アキのいないバンドでなんでボーカルやってんだろう… 父親が危篤になってんのに、そばに行きたいのに、我慢してそれでも俺…」「こっちに来る?」「行かない。行ってもできることがないから」「そっちへ行く?」「お前が来ても、意味ねーよ」「それでも行くよ」「………」「行くよ」
カノジョは嘘を愛しすぎてる 1巻

多分ふつうはカノジョと出会ったのは運命だったとか特別な何かを感じたとか、嘘でもそんなふうに言うのかもしれないけど、あの頃の僕は終始不機嫌でやさぐれていて、だから正直今振り返ってみてもカノジョに声を掛けたのはただの気まぐれで、ぶっちゃけ誰だってよかった。カノジョじゃなくても多分よかった――。

カノジョは嘘を愛しすぎてる 2巻

嫌なこと頭に浮かんだ。彼はホントにニートじゃなくて、DTなんかじゃなくて、「嫌い」だと言っていた「歌う女」に会いに行く。ぜんぶ嘘かもしんない――。どんな人だろう。小笠原さんを傷つけたのは。小笠原さんが今も好きな女のひとは――。

カノジョは嘘を愛しすぎてる 3巻

なーんにも考えてなかったなと思った。あたしは一体今何にショックを受けているんだろう。「クレプレのアキ初プロデュース」「現役女子高生シンガー」「バンドメンバーは全員幼なじみ」あたし達ってデビューしたかったんだっけ――?

カノジョは嘘を愛しすぎてる 4巻

僕、キミに言わなくちゃいけないことがあって――。僕の告白、かなりカッコ悪い話だから、その上ライバルは超カッコイイしね…。でもさ、それでもさ、キミに好かれたいんだよね。ほかの誰よりも――。

カノジョは嘘を愛しすぎてる 5巻

抱きしめたカノジョがあまりにも小さくて、僕まで泣きそうになった。「…前から思ってたけど、リコって痩せすぎじゃない?」クスッと笑うカノジョに、僕は本気で言う。「もうちょっと太った方がいいよ!マジで!」「歌うなら…なおさらだよ」その夜、僕は初めて、カノジョの歌声を聴いた。

カノジョは嘘を愛しすぎてる(6)

予感がした。「そういうことにしてあげる」なんて言い方で自分を誇示することもなく、笑って僕の嘘に気づかぬふりをするカノジョに、僕は一生敵わない――。…結婚、してくれない?一生、そばにいてよ。

カノジョは嘘を愛しすぎてる(7)

理子って「ヤだ」ばっか言うよね。ていうか僕「ヤだ」ばっかり言われてるよね。歌詞を見せるのヤだ。泣くトコ見られるのヤだ。荷物を持たれるのヤだ。プロポーズもヤだ。僕の過去を聞くのもヤだ。僕だって、理子に「ヤだ」って言いたいことくらい、あるよ。

カノジョは嘘を愛しすぎてる(8)

「旬が過ぎれば、早めにポイ!これ業界の常識よ?新しい子を売り出すために、まだ力のあるうちに利用するなんて当然だろ?」そんな風に茉莉を揶揄しながらも、本心では茉莉を救いたいと思っている高樹は、秋に「茉莉に曲を書いてやってくれ」と頼む。「そしたらお前にMUSHをやるよ」と下卑た交換条件を出す高樹に、秋は…?それぞれの思惑が交錯し、純粋な想いが軋んでゆく…!!切なすぎる第8巻!!クリュード・プレイのギタリスト・薫、ドラマー哲平の番外編2本を収録!巻末には、瞬の初恋を描いた小説「恋じゃない」を特別収録!また、初版限定でスペシャルポストカードも封入!!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(9)

小笠原秋は元カノである茉莉に曲を書くことになり、今カノの小枝理子は秋の後釜ベーシストであるクリプレの心也に自分たちのバンドのデビュー曲を書いてもらうことになる。からみあうそれぞれの気持ち。「この曲、気持ちいい」無事レコーディングを終えた理子だが、プロデューサー・高樹からTVデビューでの口パクを命じられる。抵抗する理子。そして、CDデビューの日がやってきた!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(10)

小枝理子たちの高校生バンド・MUSH&Co.が、ついにCDデビュー。ひょんなことから曲を提供したクリプレの心也、彼氏の小笠原秋、バンドのメンバーたちと理子の自宅でバーベキューで祝うことに。だが、デビュー曲のデイリーランキングは21位。「Mステで仕掛けるしかないか」プロデューサー・高樹は理子たちのTV初出演を起爆剤にしようと考える。そして、Mステ生出演の日がやってきた!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(11)

小枝理子たちの高校生バンド・MUSH&Co.が、ついにCDデビュー。だが、デビュー曲のデイリーランキングは21位。曲を提供したクリプレの心也と共に生放送歌番組「Mステ」に出演する理子は、口パクで歌うことになっていた。しかし、プロデューサー・高樹は、起死回生の秘策を理子に授ける。そして、生放送で事件は起こり、伝説となっていく!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(12)

Mステ出演で明暗を分けた理子と茉莉。大成功を収めた理子は、打ち上げで突然の涙…一方、壊れてゆく茉莉を放っておけない秋は、傷心の茉莉に付添うが…!?そして、自分より目立った理子に怒り心頭のシバケンは、怒りのせいで思わず理子の待ち受けをダウンロード!?それぞれの思いが交錯する大人気コミックの第12巻!!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(13)

クリプレのリハーサルに飛び入り参加することになった理子。そこで知ったのは、生演奏に他の巧い人の音を足す「同期」という作業だった。薫の演奏に「同期」を提案する心也だったが、秋は薫に演奏して欲しいと説得するが…!?

カノジョは嘘を愛しすぎてる(14)

マッシュの武道館出演を阻止しようとするネットの書き込みが多数アップされる。犯人は理子のクラスメイトの寺田さん!?理子を守ろうとする心也に対して、アキは仕返しに最高に凶悪な音楽プランを思いつく!?

カノジョは嘘を愛しすぎてる(15)

クリプレと理子のコラボで武道館ライブは最高潮に盛り上がる。理子としては、Mash&Co.で、いつか武道館ライブをするのが夢だが、音楽番組のえらいプロデューサーに、お金をもらえるミュージシャンとしか、プロとしては組むべきではないと、説得される。幼馴染とうたうのが楽しい理子にとっては、苦渋の選択となり、悩むのだが!?ライブ後の打ち上げで、先輩ミュージシャンのシバケンとLINE交換をした理子。理子的には、ただの社交辞令だと思っていたのだが、アキが意外と嫉妬しちゃって!?

カノジョは嘘を愛しすぎてる(16)

「俺…、ただお前とバンドやるのが楽しくて… それだけだったから…」「でも、クリプレのライブは瞬がいなくちゃ、幕が上がらない」「俺、アキのいないバンドでなんでボーカルやってんだろう… 父親が危篤になってんのに、そばに行きたいのに、我慢してそれでも俺…」「こっちに来る?」「行かない。行ってもできることがないから」「そっちへ行く?」「お前が来ても、意味ねーよ」「それでも行くよ」「………」「行くよ」

カノジョは嘘を愛しすぎてる(17)

「想像より早く来たな…」そう呟いて、心也はバスを降りた。「繋がらない?」「心也さん… 電波の入らないところにいるんですかね? 何度かけても留守電で…」「もうすぐリハ始まるのに…」「すみませーん なんか楽器屋さんが心也さんに頼まれたとかでスティングレイ持って来てくれたんですけど…」「つか心也本人は?」「アキ?」「心也からメールが来たんだけど… これってどういう意味だと思う?」“悪いんだけど、僕のベースは使わないで。その代わり、プレゼントを贈るから”「…心也、東京へ帰ったのかもしれない…」「ライブ開演まであと2時間切りました! どうしますか? 中止しますか?」

カノジョは嘘を愛しすぎてる(18)

自分の音がたまらなく好きな気持ちと どうしてこんなふうにしか弾けないんだろうって 嫌になって 逃げ出したいくらいの 気持ちがあって でもどこかで認めてほしくって 誰に 誰にって 君に認めて欲しくて なんで こんな熱狂の中で 僕はなんでこの音はクリプレじゃないって思うんだろう

カノジョは嘘を愛しすぎてる(19)

“山本姉妹バンド”でイベントノステージに立った理子。だけど歌いたい衝動を止められず、トラブルが起きてしまい…!?

カノジョは嘘を愛しすぎてる(20)

「俺はリコの歌にあわせて演奏したくて ドラム叩いてる」「オレも」「だからさ お前も 俺達の演奏にあわせて歌いたいって思ってくれるんじゃなきゃ バンドなんてやる意味ないと思う。だから、これから何があっても、俺達には正直にいてくれ。手加減なんてしないでくれ。友達なんだから。気を遣われ始めたら、もうそばにいられない」「ソーちゃん、ユーちゃん ハンパな演奏したら 叩き出すからね」「俺より上手いドラムなんて いくらでもいる。でも 理子の後ろで 一番気持ちよく弾いてやれるのは 絶対に俺達なんだ!」

カノジョは嘘を愛しすぎてる(21)

「怪刀乱麻」のシバケンと2人で食事中の動画が、ツイッターで拡散されてしまった理子(りこ)。二人きりで食事に行ったと聞き、秋(あき)は嫉妬から愚痴を言い続ける。「せっかく久しぶりのデートなのに…」と言い出す秋に、驚く理子! 「だってここ事務所じゃん!」 「でも二人っきりじゃん!!」 「こっち来いよ」といつになく強引な秋に、理子はドキドキしながら、事務所の会議室でキスをする。そんな2人の様子を見てしまった、秋の元カノ・茉莉は過呼吸に。秋は茉莉を助けるため、理子の前で人工呼吸をして…!? 遂に、二人にとって特別な朝が来る…!! “その後”を、雑誌掲載時より10ページ描き下ろし!!

カノジョは嘘を愛しすぎてる(22)

とっくにCRUDE PLAYは5人のバンドになってたのに、4人でやろうとするから、おかしくなってたんだって、やっと気づいたんだ―― 「この曲だけは、誰にも負けたくない」――学校の文化祭で行われたMash&Co.の初単独ライブは、アンコールが鳴り止まないほどの声援をうけ、理子(りこ)たちは感涙。一方、活動休止を発表したCRUDE PLAYは、ツアーファイナルのドーム公演ライブの打ち合わせを進めていた。秋(あき)から相談したいことがある… と、ラストライブのための新曲を聴かされたメンバー。それはツインベースの楽曲で…!? 青木琴美のスーパーヒット連載にして最高傑作! ついにファイナル!!!