あらすじ

家を出て“山の向こう”へと行こうとした春日(かすが)と仲村(なかむら)。だが失敗に終わり、再び町に連れ戻されてしまう。事件から1か月後、佐伯(さえき)とも別れ、絶望の淵へと自らを追い込む春日。が、“山の向こう”へ行けなかったことで、自分以上に傷つき、怒っている仲村に気づいた春日は、「仲村さんを一人にはしない!!」と心に決め、行動に出るが……!?
惡の華 1巻

ボードレールを愛する、文学少年・春日高男(かすが・たかお)。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた大好きな佐伯奈々子(さえき・ななこ)の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和(なかむら・さわ)に見られていたことが発覚!!バラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは……!?話題沸騰!!奇才・押見修造が描く背徳的純愛ストーリー!

惡の華 2巻

大好きな佐伯(さえき)とデートすることになった春日(かすが)!だが仲村(なかむら)から、デートの時に盗んだ体操着を着ていくよう命令され、不安を抱えながら、当日を迎える。春日と佐伯のあとを、ひっそりと付いてくる仲村。彼女を気にしつつも、順調にデートを進める春日に仲村が出した、更なる命令とは……!?

惡の華 3巻

真夜中に学校へ忍びこみ、自分たちの教室を“クソムシの海”にした春日(かすが)と仲村(なかむら)。高揚した一夜が明け、犯人だとバレる覚悟で春日は登校するが、偶然が重なり、変質者の仕業ということで片付けられる。だが、プレッシャーに耐えられず苦しむ春日。さらに、本当は春日が犯人であることが、彼女である佐伯(さえき)にバレてしまう!!「別れよう」佐伯に言う春日だが、彼女が出した衝撃的な答えとは……!?

惡の華(4)

家を出て“山の向こう”へと行こうとした春日(かすが)と仲村(なかむら)。だが失敗に終わり、再び町に連れ戻されてしまう。事件から1か月後、佐伯(さえき)とも別れ、絶望の淵へと自らを追い込む春日。が、“山の向こう”へ行けなかったことで、自分以上に傷つき、怒っている仲村に気づいた春日は、「仲村さんを一人にはしない!!」と心に決め、行動に出るが……!?

惡の華(5)

河原に作った秘密基地で、町の中に“向こう側”を作り始めた春日(かすが)と仲村(なかむら)。一方、二人の行動に気づいた佐伯(さえき)は、親友と共に秘密基地を探り出す。春日と仲村の親密な関係に気づき、嫉妬する佐伯。「春日くんは、初めて本当の自分を見てくれた」彼を取り戻そうと、佐伯は全てを投げ出して行動を起こすが……!?

惡の華(6)

「……春日(かすが)くん、明日捨てようか……これからの人生全部」――佐伯(さえき)に秘密基地を燃やされ、途方にくれる春日。だが、仲村(なかむら)のためにも夏祭りを諦めきれず、計画実行を模索する。そんな彼の前に、基地の燃え跡に残された「計画書」を携えた警察がやってくる。そのノートには春日、そして仲村の名前が記されていた!少しずつ焦り、追い詰められる春日の前に、髪を切った佐伯が現れ……!?

惡の華(7)

夏祭りの夜、ついに計画を実行した春日(かすが)と仲村(なかむら)。“向こう側”へ行くため、最後の舞台に立った二人だが、寸前で失敗に終わってしまう――。時は経ち、新たな町で、新たな友人に囲まれ、春日は高校生活を送っていた。消息を絶った仲村の影を追い、抜け殻のように過ごす毎日。そんな春日の前に現れたのは……!?新章「高校生篇」突入!!

惡の華(8)

常磐(ときわ)の部屋で、彼女の書いた小説のプロットノートを発見した春日(かすが)。読みたい衝動に駆られ、ノートを手にするが、そこへ常磐の彼氏・晃司(こうじ)が現れ、春日は現実に引き戻される。晃司に誘われるがまま、常磐と共に彼らの溜まり場へと向かう春日。そこで二人の仲を疑う晃司に、常磐と昔好きだった子を重ねているんじゃないかと問われた春日は……!?

惡の華(9)

「常磐を仲村の代わりにしている」佐伯の言葉を否定できず、思い悩む春日。その間に、常磐が晃司と仲直りをしたことで、二人の関係はよそよそしいものへと変わってしまう。小説を書くことにも自信をなくす常磐を必死に励ます春日だが、その思いは届かず……。逆に、春日に謝りたいという晃司に会ってほしいと言われる。“逃げつづけたくない”春日は、常磐たちのバイト先へ向かうが……!?

惡の華(10)

危篤の祖父を見舞うため、3年半ぶりに故郷へ戻ってきた春日(かすが)。しかし、夏祭りの事件以来、初めて姿を現した春日を親類たちは疎む。決して戻らない人間関係を感じつつ、祖父の葬儀に参加する春日の前に、かつての級友・木下が現れる。過去の自分に決着をつけるため、木下と話すことを決めた春日。そこで、未だ過去に囚われ続ける木下は、春日に問う。「仲村(なかむら)が今いるところ、聞きたい?」

惡の華(11)

常磐(ときわ)と生きていくため、仲村(なかむら)に会いに行くと決めた春日(かすが)。海沿いの町で穏やかに暮らす仲村と、春日は3年半ぶりの再会を果たす。夏祭りの日、あの瞬間まで春日は信じていた。仲村と二人“クソムシの海”から抜け出すのだと……。それは、ずっと春日の心を過去に縛り付けていた疑問。かつて二人で見た夕焼けと同じ空の下、春日はあの時、自分を突き飛ばした理由を仲村に問いかけるが……!?