あらすじ

「四門(しもん)」によって奇跡の勝利を掴み、日本格闘技界の頂点にたった陸奥九十九(むつ・つくも)。武道館の不破北斗(ふわ・ほくと)との死闘から半年経ち、行方をくらませていた九十九だが……“世界最強の男”となるべく、九十九はニューヨークにあらわれた!!新たな興奮を秘め、第3部いよいよ始動す!!
修羅の門 1巻

日本に古くから伝わり、底知れぬ破壊力をもつ幻の武術、陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)の使い手・陸奥九十九(むつつくも)が現れた!実戦空手道場・神武館(しんぶかん)をぶったおすため、九十九の荒技がさえる。段違いの迫力でせまる本格格闘技巨編、登場!!

修羅の門 2巻

幻の武術・陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)の継承者で底知れぬ力(パワー)を秘めた男、陸奥九十九(むつつくも)が実戦空手道場・神武館(しんぶかん)に現れた。九十九は、神武館の実力者“四鬼竜(よんきりゅう)”のうち増畑(ますはた)と泉(いずみ)を簡単に倒し、三人目にローキックの鬼・陣雷(じんらい)との対決となった!!バットをもたやすくへし折る陣雷のローキックに対抗する術はあるのか――!?

修羅の門 3巻

陸奥九十九(むつつくも)と神武館(しんぶかん)の実力者“四鬼竜(しきりゅう)”の最後の一人、天才・海堂晃(かいどうあきら)との死闘が始まった。海堂が左手首を折られ、九十九も左眼を負傷し両者の実力は全くの五分。闘いに決着をつけるために陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)奥義・無空波(むくうは)がついに出るか!!四鬼竜との激闘決着!そして、九十九の戦いは次なる舞台へ――!!

修羅の門(4)

神武館(しんぶかん)“四鬼竜(しきりゅう)”最後の一人、天才・海堂晃(かいどうあきら)を無空波(むくうは)で倒した陸奥九十九(むつつくも)は、次なる相手として現在(いま)一番強いといわれる男・鬼道館(きどうかん)の片山右京(かたやまうきょう)に闘いを挑んだ!様々な競技団体にケンカを売り、強い男たちを闘いの舞台に引っ張り出そうとする九十九を中心にして、日本格闘技界に熱い風が吹きはじめた……!!

修羅の門(5)

日本最強の男を決める――、そのために開かれた「全日本異種格闘技選手権」。片山右京(かたやまうきょう)、飛田高明(ひだたかあき)、龍造寺徹心(りゅうぞうじてっしん)ら様々な団体から男達が集う。「キックの武蔵」竹海(たけみ)を倒した九十九(つくも)は、2回戦で羽山悟(はやまさとる)と向き合う!

修羅の門(6)

2回戦、傷つきながらも闘志衰えぬ羽山(はやま)を「雷(いかずち)」で倒した陸奥九十九(むつつくも)。ベスト8の相手はプロレスラー・飛田高明(ひだたかあき)。驚異的なパワーと、サブミッションを併せ持つ「パーフェクトレスラー」とどう戦うのか?

修羅の門(7)

おのれが極めた技と技、力と力を全力でぶつけあう“全日本異種格闘技選手権”3回戦、陸奥対飛田の激闘が続く。あまりの凄絶さに2万の観衆が息をのむ中、陸奥の秘技「龍破」が炸裂するか!ますます白熱する武道館決戦!

修羅の門(8)

全日本異種格闘技選手権準決勝、陸奥九十九対片山右京の死闘も中盤戦となった。九十九がくりだす陸奥圓明流の秘技も片山には通用せず、片山優勢のうちに試合は進んだ。おいつめられた九十九に勝利の目はあるのか……!?

修羅の門(9)

武道館を揺るがす全日本異種格闘技選手権、準決勝・第二試合。ここまで悠然と勝ち上がってきた生ける武神・龍造寺徹心(りゅうぞうじてっしん)は“不破圓明流(ふわえんめいりゅう)”の継承者・不破北斗(ふわほくと)と激突した!徹心vs.北斗、両雄一歩も譲らぬ大激戦に勝利をおさめ、決勝で九十九(つくも)と対するのはどちらだ!?

修羅の門(10)

肉が唸り骨が軋む、凄絶なる異種格闘技選手権・決勝戦の幕は切って落とされた。陸奥(むつ)を倒し、格闘技界に君臨するために、陽の光の下に出てきた不破(ふわ)。圓明流(えんめいりゅう)の技の打ち合いに、次第に九十九(つくも)は追い詰められていく。さらに、この勝負に決着をつけるため不破北斗(ほくと)が繰り出す“陸奥にはない技”とは……?宗家の陸奥か、分家の不破か!?壮絶なる「殺し合い」の結末は――!?

修羅の門(11)

「四門(しもん)」によって奇跡の勝利を掴み、日本格闘技界の頂点にたった陸奥九十九(むつ・つくも)。武道館の不破北斗(ふわ・ほくと)との死闘から半年経ち、行方をくらませていた九十九だが……“世界最強の男”となるべく、九十九はニューヨークにあらわれた!!新たな興奮を秘め、第3部いよいよ始動す!!

修羅の門(12)

単身アメリカに渡った陸奥九十九(むつ・つくも)は、名トレーナー、テディらの協力を得、圓明流(えんめいりゅう)の技によってボクシング・ヘヴィ級の試合を勝ち進むのだが……!?はたして九十九は、新たな宿敵、A(アリオス)・キルレインとリングの上で戦えるのであろうか!!

修羅の門(13)

大富豪ヒューズとの出会いが、絶望的と思われていた九十九(つくも)のヘヴィ級王座統一トーナメント参戦の道を開くことになった!!1回戦の対戦相手、ノーランカーのリック・ガンフォードは、九十九に強烈な敵意を持って、KO宣言を発する!そしていよいよ開戦!!今また、陸奥(むつ)九十九の新たなる神話と伝説が、ここに始まろうとしている!!

修羅の門(14)

不当な反則負けを言い渡されながらも、かろうじて無効試合としてリック・ガンフォードに勝利した九十九(つくも)。次なる相手は、“神の使徒として選ばれた戦士”と自覚する男、ジャージィ・ローマン!!陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)が世界で一番強いことを証明するために神に挑む男――陸奥(むつ)九十九は、彼を相手にいかに闘うのか!?運命の闘いのゴングが今、鳴り響く!!

修羅の門(15)

“神の使徒”を名乗る男・ローマンと“神に挑む男”九十九(つくも)の闘いもいよいよ終盤!!陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)によってローマンの「神のディフェンス」を見事にやぶった九十九。だがローマンも驚異の精神力をもって立ち向かい、またも九十九の攻撃はすべて防がれてしまう。この激戦を制するのはどちらか……!?

修羅の門(16)

世界統一ヘヴィ級王者決定トーナメント準決勝の相手である、マイケル・アーロンの弱点を九十九(つくも)に知らせようと会場へ向かう記者達。しかしすでにゴングは鳴ってしまった!!対戦相手の研究もせず、アーロンの弱点を知らぬままにリングに立つ九十九。はたして鉄人アーロンに、陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)は通用するのか!?

修羅の門(17)

統一ヘヴィ級戦準決勝第2試合は、アリオス・キルレインが電光(ライトニング)ストレートを放ち、アフリカの魔人・アナクレト・ムガビを死亡させ、勝利を収めた。“修羅”である九十九(つくも)の相手となるのは“鬼”であるアリオス。九十九が勝てば、史上最年少・最軽量のヘヴィ級チャンピオンが誕生するが……。その前に、もう一人、九十九の前に立ちはだかる男が!?

修羅の門(18)

アリオス・キルレインとの統一ヘヴィ級戦決勝を前にして、九十九(つくも)は神武館の“鬼”龍造寺巌(りゅうぞうじ・いわお)とスパーリングを開始した。が、九十九の力の前に、本気で戦いを挑んだ巌。修羅vs.鬼の戦いは、激闘の末、九十九が勝利を収めた!しかし、巌の捨て身の攻撃を受け、拳と肋骨を負傷してしまう……!九十九の統一戦出場はどうなってしまうのか!?

修羅の門(19)

全世界の格闘技ファンが待ちこがれた世紀の一戦がいよいよ開始!!世界ヘヴィ級統一戦決勝、陸奥九十九(むつ・つくも)VS.アリオス・キルレイン!!アリオスは、亡き師・エザードへの強い思いを胸に、勝利を誓ってリングに上がる!試合の4週間前に龍造寺巌(りゅうぞうじ・いわお)との闘いで拳と肋骨を負傷した九十九に、果たして勝機はあるのだろうか!?

修羅の門(20)

九十九(つくも)vs.アリオスの統一戦決勝(ファイナル)はさらに白熱!!傷を負ったままリングにあがった九十九は、早々に拳の怪我に気付かれ、2ラウンドまでポイントを奪われてしまう。だが3ラウンド、決め技のコンビネーションを放ったアリオスのヒジの逆関節を極め、アリオスを精神的に追い詰める……!まさに陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)の凄みを示す一瞬の早技!九十九いよいよ反撃開始!!

修羅の門(21)

世界ヘヴィ級統一戦決勝(ファイナル)4ラウンド、アリオスのコンビネーションによって肋骨を折ってしまい、“浮嶽(ふがく)”“獅子吼(ししこう)”も封じられた九十九(つくも)!だが5ラウンド後半、九十九の中に眠っていた“獣”がついに目覚めた!両者互角のまま、凄まじい闘いは最終12ラウンドへ突入!!ラスト3分の向こうに何が見えるのか!?そして、「第4部」もスタート!!

修羅の門(22)

世界ヘヴィ級統一戦決勝最終12ラウンド、「無空波」によりついに九十九(つくも)は世界ヘヴィ級統一チャンピオンとなる。だが、テディに3本のベルトを残すと、姿を消してしまった。祖父、真玄(しんげん)の言葉を受け、名も知らぬ相手と戦うため九十九(つくも)はブラジルへと旅立った。そこで待ち受けていた新しい出会い、そして、新しい闘いとは……!!

修羅の門(23)

ブラジルを放浪した末、ついにビクトル・グラシエーロに出会った九十九(つくも)は、彼に勧められるまま、ブラジル版異種格闘技選手権「ヴァーリ・トゥード」へ出場することに。神武館(しんぶかん)のイグナシオ・ダ・シルバ、そして、戦いを捨て神父となったレオン・グラシエーロをも巻き込み、静かに戦いの幕が開く……!!

修羅の門(24)

異種格闘技「ヴァーリ・トゥード」の組み合わせが決まり、1回戦が始まった。九十九(つくも)の1回戦の相手は、カポエラのリカルド・マジーニョ。鋭い足技を繰り出すリカルドだったが、カポエラを陵駕する九十九の鮮やかな足技で、勝負は決し、陸奥(むつ)九十九の不敗伝説ブラジル編が今、幕を開けた……!!しかし手の内をさらしてしまい、今後の戦いが不利に……!?

修羅の門(25)

白熱の「ヴァーリ・トゥード」!2回戦進出を決めた九十九(つくも)の次の相手は、元十両南洋竜(なんようりゅう)ことサレバ・ペニタニ。体重200kgで九十九との差はなんと3倍!その体格と相撲を基点としたファイトスタイルに、優れているはずのテクニックも封じられ、九十九が勝るのはスピードのみと見られたが……。注目の2回戦がいま始まる!!

修羅の門(26)

九十九(つくも)対南洋竜(なんようりゅう)の戦いは、極め技の「斧鉞(ふえつ)」によって、3倍差のウエイトをくつがえし、九十九の勝利に終わった。さらに、底知れぬ力を持つレオン・グラシエーロを含め、ベスト8(エイト)が決定、「ヴァーリ・トゥード」は3回戦へ。九十九の次の対戦相手は、戦場殺法で周囲を戦慄させてきた、傭兵ブラッド・ウェガリーに決定した!!

修羅の門(27)

ブラジル版異種格闘技選手権「ヴァーリ・トゥード」ベスト4進出を賭けた最後の一戦、九十九(つくも)は試合場を戦場に変えてしまう傭兵、ブラッド・ウェガリーと激突した……!!卓越した格闘技術に加え、手段を選ばぬウェガリーの暗器を使った不意の一撃で、九十九は目に傷を負ってしまう。しかし、それが、九十九に火をつけた!!「こういう戦いなら、オレのほうがなれてる」――!

修羅の門(28)

傭兵ブラッド・ウェガリーとの闘いは、凄まじい流血戦の末、九十九(つくも)の勝利に。しかし九十九は、ウェガリーの暗器によって受けた右目の傷を抱えたまま「ヴァーリ・トゥード」準決勝へ!対するは神武館の“重戦車”イグナシオ・ダ・シルバ!!しかし、イグナシオにも、その師である徳光(とくみつ)にも、まだ秘密がありそう……!?

修羅の門(29)

ブラジル版異種格闘技選手権「ヴァーリ・トゥード」準決勝!!九十九(つくも)は、“重戦車”イグナシオ・ダ・シルバと激突!!圧倒的なパワーに加え、華麗なテクニックを合わせ持つイグナシオの“魔法(マジック)”に、防戦一方の九十九(つくも)。だが、その体の中では“修羅”の本性が目覚めつつあった!!傷を負って片目で戦っていた九十九が両の目を閉じたとき……試合が動く……!!

修羅の門(30)

白熱の「ヴァーリ・トゥード」準決勝、剛(ごう)と柔(じゅう)の頂点での激突は、“空手家”たるイグナシオが立ちながらにして落ち、九十九(つくも)が勝利に。続く第2試合に勝利を収め、決勝で九十九と対決するのは――破壊王(キング・オブ・デストロイ)の異名を持つハリスか、それとも、グラシエーロ柔術宗家であるグラシエーロ一族の切り札・レオンか!?

修羅の門

ジャージィ・ローマンと九十九の敬意

修羅の門 川原正敏
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

陸奥九十九の闘い方は二通りある、と描かれる。一つは、陸奥圓明流としての効率的な殺人拳。そしてもう一つは、敢えてそれをしない闘い方だ。 陸奥九十九は、これはと思った相手……本能的に恐怖を感じる、それ故尊敬に値する相手と試合う時、わざと相手の土俵に乗る。 相手の得意分野で闘い、正面から互角以上に渡り合った末に遂に相手を凌駕する。その象徴的な闘いが第三部・ボクシング編のジャージィ・ローマン戦だ。 「神の声」を聞き完璧な読みで攻撃を封殺するローマンに対し、陸奥九十九はスピードを何段階も上げ続ける事で「神の声」を置き去りにし、無効化しようとする。 陸奥九十九は試合前も後も常に言い続ける…「ローマンが怖い」と。そこには「神が怖いのでは無く」という含意と、〈人間〉であるローマンへの敬意がある。 相手の得意分野を凌駕して見せる事で、陸奥九十九は敵の全てを折る。ローマンの「神」もそうだが、所属団体や流派のプライド、最強の称号、等々。しかし陸奥九十九は恨まれない。敗者は皆、そんな負け方に納得してしまうのである。そして負けて全てを失っても、陸奥との闘いを胸に、先へ進める。 陸奥圓明流という殺人拳を使いながら、相手の土俵で闘うという「敬意」によって陸奥九十九は、相手に爽やかな敗北感と次へ向かう力を与える。こんなに「精神的な」美しさがある格闘マンガもなかなか無い。 ジャージィ・ローマンの、身体では無く〈心〉が闘いを止める瞬間の印象的な1ページを眺めながら、そんな事を思った。 #マンバ読書会 #少年マンガの名バトル