1巻を試し読み
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
以下のボタンから感想を入力することができます(別ウィンドウが開きます)
感想を投稿
完了する
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
『完全版 マウス ――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語』のクチコミ投稿
クチコミで好きなマンガを広めよう!
話題の種類
「マンガのクチコミってどうやって書けばいいの?」という方へ!選んだ話題の種類に応じて書き方のヒントになる例文を表示します。
クチコミのヒントを表示する
タイトル
本文
完全版マウス――アウシュ...
完全版マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語
アート・スピーゲルマン
アート・スピーゲルマン
小野耕世
小野耕世
あらすじ
30以上の言語に翻訳された名著 ピューリッツァー賞を受賞した最初のグラフィック・ノヴェル 本書は、マンガ家アート・スピーゲルマンの代表作『マウス』と『マウス II』を一体化させ、翻訳に改訂を施した“完全版”。 ホロコーストのユダヤ人生存者ヴラデックの体験談を、息子のアート・スピーゲルマンがマンガに書き起こした傑作。独自の手法と視点で、これまでに語られてこなかった現実を伝え、世界に衝撃を与えた。本書の一番の特徴は、ユダヤ人をネズミ(=マウス)、ドイツ人をネコ、ポーランド人をブタ、アメリカ人をイヌとして描いていることだ。斬新かつ親しみやすいアプローチで、読者をホロコーストの真実へと引き込んでいく。 語り手の父ヴラデックはポーランド出身。大戦後は妻とともにニューヨークに移住した。第1部では、ヴラデックの青年時代から結婚、過酷な逃亡生活を経て、ナチの手に落ちアウシュヴィッツに収容されるまで。第2部では、アウシュヴィッツでの悲惨な体験、解放、そして故郷ソスノヴェツへの帰還までが綴られている。全編をとおして、著者が父の体験談を聞くニューヨークでの場面が織り込まれている。それにより、生存によってもたらされた罪悪感を背景に、いつまでも消えない恐怖と闘うヴラデックのその後と、両親がホロコーストで負ったトラウマが、息子にどのような影響を及ぼしたのかまでを描ききっている。また、本書の第1部である『マウス』発売後の予想外の反響に、アート・スピーゲルマンが心のバランスを崩した様子も第2部に盛り込まれている。 ひとり、またひとりと家族が減っていく悲しさ、徐々に普段の生活が崩壊していくやるせなさ、迫害、飢餓、虐待、死……言葉ではなく視覚に訴えるグラフィック・ノベルだからこその恐ろしさが伝わる。全人類必読の「ある父親の記憶」。
完全版 マウス ――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語の情報の提供お待ちしてます!
掲載している内容の誤りや、この作品に関するおすすめの記事、公式情報のリンクなどはこちらからお送りください。みなさまのご協力をお願い申し上げます。
パレスチナ特別増補版

パレスチナ特別増補版

1991~92年にかけて、パレスチナ紛争の最前線で2か月発売間を過ごしたジョー・サッコ。彼は、拷問を受けたパレスチナ人から観光気分のイスラエル人まで、さまざまなインタビューを試みる。そして語られる苛酷な事実を淡々と描いていく。「そのきわめて強い説得力は、まんが表現というものの奥行きを改めて感じさせてくれる。見逃せない注目作だ」(朝日新聞)など各紙絶賛の本。
試し読み

おすすめのマンガ

モンスター

モンスター

2026年、ナイキ・アッツフェルドは驚異的な記憶力で過去を蘇らせ、自分が生まれた1993年、戦火のサラエヴォでの出来事を思い出す。生後数ヶ月で出会った同じ境遇のふたりの孤児、アミールとレイラのこと、生涯ふたりを守りぬくと誓ったこと。さまざまな宗教が覇権を争う時代、ナイキは離れ離れになったふたりを探しに行く。レイラは今や有能な宇宙物理学者で、人類の未来に大きな影響をもたらす可能性のプロジェクトに関わっている。一方アミールはかつてサッカーのゴールキーパーとして鳴らしていたが、今では科学、文明、思想の三つを抗争の柱に掲げる国際テロ組織の手先となっている。3人は意図せずして地球規模の闘争に巻き込まれるが、この闘争を陰で操っているのが「モンスター」という謎の人物だった。エンキ・ビラルは世界的に有名なバンド・デシネ作家、及び映画監督。「モンスター」は彼の代表作と言える傑作。第一部は1997年に発表され、10年余りの歳月をかけ、2006年にようやく完結。9.11の同時多発テロ事件、急進的な宗教団体の台頭、異常気象などを暗示するようなシーンに驚くとともに、独特の幻想世界に堪能するばかり。エンキ・ビラルは鮮やかに既存のマンガとSFのコードに挑戦し、新たな可能性を示す。第1部「モンスターの眠り」。
サブリナ

サブリナ

グラフィックノベル初のブッカー賞ノミネート! ある女性が失踪した。その後、彼女に関する衝撃的な映像を収めたテープが新聞社に送られてくる。その映像はインターネットを席捲し、噂や憶測、陰謀論が湧き上がる。ゼイディー・スミス、エイドリアン・トミネ絶賛。現代社会を映し出す傑作グラフィックノベル
試し読み
アンカル

アンカル

夢見ることは生きること――。奇才ホドロフスキーと天才メビウスが結びつき、生まれた衝撃のスペースサーガ! 世界中のクリエイターを陶酔させ続ける伝説のフランスコミック謎多き本編を紐解く解説集『アンカルの謎』を併録し、再起動! これを読まずしてSFは語れない。カルトの帝王アレハンドロ・ホドロフスキーとBD界の天才画家メビウスによる壮大なスペース・オペラ『アンカル』。ウイスキーと人造娼婦とドラッグをこよなく愛するR級探偵ジョン・ディフールの日常は、謎の生命体“アンカル”を手に入れた日から一変する。クローン手術を繰り返す大統領、ミュータント、異星人、化学兵器、階級間の争い、陰謀…… ジョンの行く先にはさまざまな試練が待っている。宇宙と人類の運命を懸けた果てしない大冒険の先に、ジョンが見たものとは? アンカルとは何なのか? 人はどこから来て、どこへ行くのか? ホドロフスキーの哲学とメビウスのアートが生み出した、世界的ベストセラー!
年上のひと

年上のひと

姉で、友達で、恋人。 天才、バスティアン・ヴィヴェス最新邦訳作品。 【受賞歴】●2008年「アングレーム国際漫画祭 新人賞」…『塩素の味』 ●2011年「ACBD批評グランプリ」…『ポリーナ』 ●2011年「BD書店員賞グランプリ」…『ポリーナ』 ●2013年「文化庁メディア芸術祭新人賞」…『塩素の味』 ●2015年「アングレーム国際漫画祭 最優秀シリーズ賞」 ●2018年「ケベック書店賞 コミック部門グランプリ」…『年上のひと』
ラストマン

ラストマン

「マンガ的爽快感とバンド・デシネのリズム、双方のいいとこ取りがフランスで話題になった、MANGA×BANDE DESSINÉEのハイブリッド格闘アクション!」大友克洋氏絶賛! 【内容】とある王国で開催される毎年恒例の格闘技トーナメント。二人一組で行われるこの大会の優勝チームには栄光の国王杯と金貨が授けられる。貧しい生活を送っていたアドリアンは、武術学校では落ちこぼれだが、優勝して今の生活を脱したいと意気込んでいた。そしてついに出場権を手に入れた大会を明日に控えることに。だが、パートナーは急病で棄権し、アドリアンも出場できなくなる。落胆する彼に声を掛けてきたのは謎の旅人リシャールだった。彼もパートナーを欠き困っていたという。かくして、アドリアンとリシャールの急造チームは、並みいる強敵が参戦するトーナメントに挑む。選手達は火や風、木などの精霊たちにパワーを借りて、相手を倒すのだが、リシャールはすべて素手だけで勝利を得ていく。このままいけば、アドリアンの優勝も夢ではなくなる。ところが……。マンガ・アニメ世代の作家3人が送る今フランスで最も熱い作品! 2015年アングレーム国際漫画フェスティバル“最優秀シリーズ賞”受賞!!
MATSUMOTO

MATSUMOTO

1994年、日本の小都市松本。組織の実行部隊を指揮する信者は、致死性の神経性ガス兵器の開発を極秘に進めていた。宗教団体の教祖は30以上の会社を束ねるコンソーシアム代表をも兼ねる。信者たちにとって教祖はヒンドゥーの神・シヴァの生まれ変わりであり、宗教に名を借りた組織の真の目的は、「ハルマゲドン」を引き起こして日本政府を転覆させること。後に「地下鉄サリン事件」として世に知れわたることになる恐るべき計画。日本犯罪史上最悪の凶悪事件を、フランス人作家がバンド・デシネ作品として描き出す。事実に着想を得、かつて実在した宗教団体のテロ事件をめぐる真実の物語。その衝撃の問題作が遂にオールカラー邦訳化! 【巻末特別対談LF・ボレ×切通理作】 巨大な悲劇、サリン事件とは何だったのか―― 事件から20数年。今なお混沌として、さらなる悲劇を繰り返し続ける現代社会への黙示録と化した事件の虚実を、気鋭の評論家・切通理作と本作原作者・LFボレが徹底解明するスペシャル対談を特別収録!
ブラックサッド

ブラックサッド

私立探偵ブラックサッドは警察のスミルノフに呼ばれ殺人現場に向かう。被害者はかつての恋人ナタリアだった。スミルノフの忠告をよそに、ブラックサッドは独自に事件を調べることにする。しかし殺害現場に残された手がかりはなく、ブラックサッドは以前ナタリアの用心棒にと紹介したボクサーのジェイクの所に向かう。調べていくうちにブラックサッド自身にも危険が… ブラックサッドはかつての恋人の無念を晴らすことができるのか? 50年代のニューヨークを舞台に、登場キャラクターが全員動物という斬新な設定のハード・ボイルドBDの記念すべきシリーズ第1巻。
マッドジャーマンズ  ドイツ移民物語

マッドジャーマンズ ドイツ移民物語

移民問題に揺れる欧州 ドイツに衝撃を与えた社会派コミック モザンビークからやってきた若者たちは、 欧州で何を見、何を感じたのか? 3人のストーリーが描く、移民問題の本質。 推薦 多和田葉子さん(作家) 「わたしはこれまで少なからず東ドイツなど社会主義圏を舞台にした物語を読んできた。 アフリカ文学やアメリカ黒人文学を読んで近しさを感じることも少なからずあった。 移民文学については、もう読み飽きたと思うことさえあった。 ところがこのグラフィックノベルはこれまで知らなかった入り口から、私の中にすっと入ってきた。 登場人物ひとりひとりにちゃんと体重があって、顔も身体も美化されていないのに目をひきつける。 社会主義の歴史は個人的な記憶のディテールでできているんだなと思う。 いつまでも同じページに留まりたくなるような愛おしい線の描く人間や事物。 誇張のない、シンプルで驚きに満ちたアイデアが至るところに満ちていて、ページをめくるのが楽しかった。」 ●内容紹介● ジョゼ・アントニオ・ムガンデ バジリオ・フェルナンド・マトラ アナベラ・ムバンゼ・ライ ●著者紹介● ビルギット・ヴァイエ 1969年ミュンヘン生まれ。ウガンダとケニアで育つ。コンスタンツとハンブルクで文学と歴史のマギスター(旧修士号)を取得後、2009年にハンブルグ大学応用科学科デザイン学部卒業。本作でマックス&モーリッツ賞最優秀ドイツ語コミック賞、ならびにベルトルト・ライビンガー財団出版助成を獲得。未邦訳の作品に、Ich weiß (2008)やIm Himmel ist Jahrmarkt (2013)などがある。 ●訳者紹介● 山口侑紀 一橋大学社会学部在学中にハイデルベルク大学哲学部に派遣留学。一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了。
試し読み
マンバ
フランス語翻訳者・原正人さんが数ある海外マンガの中から「これは!」という古典を取り上げる、気軽に読めるガイドのような連載「海外マンガクラシックス ―― 教養として読んでおきたい世界のマンガ」。連載内でご紹介した海外マンガの一覧です。📰連載ページ🔗→https://manba.co.jp/manba_magazines/categories/249
完全版 マウス ――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

完全版 マウス ――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語

30以上の言語に翻訳された名著 ピューリッツァー賞を受賞した最初のグラフィック・ノヴェル 本書は、マンガ家アート・スピーゲルマンの代表作『マウス』と『マウス II』を一体化させ、翻訳に改訂を施した“完全版”。 ホロコーストのユダヤ人生存者ヴラデックの体験談を、息子のアート・スピーゲルマンがマンガに書き起こした傑作。独自の手法と視点で、これまでに語られてこなかった現実を伝え、世界に衝撃を与えた。本書の一番の特徴は、ユダヤ人をネズミ(=マウス)、ドイツ人をネコ、ポーランド人をブタ、アメリカ人をイヌとして描いていることだ。斬新かつ親しみやすいアプローチで、読者をホロコーストの真実へと引き込んでいく。 語り手の父ヴラデックはポーランド出身。大戦後は妻とともにニューヨークに移住した。第1部では、ヴラデックの青年時代から結婚、過酷な逃亡生活を経て、ナチの手に落ちアウシュヴィッツに収容されるまで。第2部では、アウシュヴィッツでの悲惨な体験、解放、そして故郷ソスノヴェツへの帰還までが綴られている。全編をとおして、著者が父の体験談を聞くニューヨークでの場面が織り込まれている。それにより、生存によってもたらされた罪悪感を背景に、いつまでも消えない恐怖と闘うヴラデックのその後と、両親がホロコーストで負ったトラウマが、息子にどのような影響を及ぼしたのかまでを描ききっている。また、本書の第1部である『マウス』発売後の予想外の反響に、アート・スピーゲルマンが心のバランスを崩した様子も第2部に盛り込まれている。 ひとり、またひとりと家族が減っていく悲しさ、徐々に普段の生活が崩壊していくやるせなさ、迫害、飢餓、虐待、死……言葉ではなく視覚に訴えるグラフィック・ノベルだからこその恐ろしさが伝わる。全人類必読の「ある父親の記憶」。
試し読み
闇の国々

闇の国々

〈闇の国々〉――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。ある日突然増殖しはじめた謎の立方体に翻弄される人々を描く『狂騒のユルビカンド』、巨大な塔の秘密をめぐる冒険から、数奇な運命へと導かれる男を描く『塔』、未知の天文現象により、体が斜めに傾いてしまった少女の半生を描く『傾いた少女』、傑作と名高い選りすぐりの3作品を収録した歴史的名作シリーズの初邦訳。メビウス、エンキ・ビラルと並び、BD界の三大巨匠と称されるスクイテンが、ついに日本上陸。繊細な描線、計算されつくされた構図、あらゆる芸術のエッセンスを詰め込んだBD芸術の真骨頂! 第16回文化庁メディア芸術祭大賞受賞作品。
THIS ONE SUMMER

THIS ONE SUMMER

夏休み。母親がもうひとり子どもを望んでいたことに、ローズは気づいている。それで両親がぎくしゃくしていることにも。友だちが子どもっぽく見える時があるし、雑貨店で働くダンクがなんだか気になって――。湖岸の別荘地で過ごす、夏のできごと。思春期の入り口でゆれる心に寄り添う、傑作グラフィック・ノベル。 大人の世界へと足を踏み出す特別な季節。その苦しさと、今だけのきらめきをすくい上げた、YAグラフィック・ノベルの傑作。
試し読み
大邱の夜、ソウルの夜

大邱の夜、ソウルの夜

ソウルで奔放に育ったはずのホンヨン。家父長制が根強く残る大邱(テグ)からの脱出を試みるコンジュ。ふたりの女の乾いた涙の跡にうつしだされる「友情」の物語。 人気漫画家ソン・アラムの代表作を『韓国が嫌いで』の訳者、吉良佳奈江が全訳。 東京・下北沢でグラフィックノベル専門書店「BSEアーカイブ」を主宰する町山広美のコラムを収録。
試し読み
キリング・アンド・ダイング

キリング・アンド・ダイング

アメリカン・グラフィック・ノヴェルの旗手による 不器用で、奇妙で、愛おしい人々の人生模様―― 〈アート・ブック×コミック×純文学〉を達成した最新作品集 突如アートに目覚める植木職人の理想と現実、ポルノ女優そっくりの顔で悩む娘の告白、口下手なのにスタンダップ・コメディアンを目指す少女とその父の葛藤……現代で最も才能あるグラフィック・ノヴェリストの一人エイドリアン・トミネが、6通りのビジュアル・語り口で繊細かつ鮮烈に描く、静かに胸に突き刺さる6つの人生の物語。オールカラー愛蔵版で登場! 解説:クリス・ウェア
試し読み
年上のひと

年上のひと

姉で、友達で、恋人。 天才、バスティアン・ヴィヴェス最新邦訳作品。 【受賞歴】●2008年「アングレーム国際漫画祭 新人賞」…『塩素の味』 ●2011年「ACBD批評グランプリ」…『ポリーナ』 ●2011年「BD書店員賞グランプリ」…『ポリーナ』 ●2013年「文化庁メディア芸術祭新人賞」…『塩素の味』 ●2015年「アングレーム国際漫画祭 最優秀シリーズ賞」 ●2018年「ケベック書店賞 コミック部門グランプリ」…『年上のひと』
私たちにできたこと 難民になったベトナムの少女とその家族の物語

私たちにできたこと 難民になったベトナムの少女とその家族の物語

親を愛することは、こんなにも簡単なのに どうしてこれほどまでに難しいのだろう? ボートピープルとしてアメリカで育った少女ティー・ブイ。 母になった彼女は、両親との溝を埋めるため、祖国ベトナムと再び出会う。 それは、両親の苦悩や痛みと向き合うことでもあった…… 「分断」の時代に生きる私たちを照らすノンフィクション・グラフィックノベル
試し読み
ワイン知らず、マンガ知らず

ワイン知らず、マンガ知らず

過酷な有機農法によるワイン醸造家と バンド・デシネ作家たちの出会い  本作品はワイン造りの約一年を追ったドキュメンタリーで、小さなエピソードを積み重ねるように描かれている。本書のタイトルの直訳は「無知なる者たち」。これはワインに無知な漫画家の作者と、漫画には縁遠いワイン醸造家という二人の主人公が念頭に置かれている。副題には「相互教育の物語」とあるが、漫画家はワイン造りの現場を、ワイン醸造家は出版の現場を知ることにより感化を受け、世界を広げることを示唆している。  フランス北西部のロワール地方。ワイン造りに興味を持った漫画家のエティエンヌ・ダヴォドーは、ワイン生産者のリシャール・ルロワに、一年間の密着取材を依頼する。エティエンヌがワイン造りを学ぶ代わりに、リシャールには出版界を案内するという代替案を提示。それが「相互教育」の道を拓くことになる。  言うまでもなく、フランス・ワインの品質は世界最高峰を誇り、伝統の製法が今も息づいているが、一方で中小の生産者は、安価な新世界のワイン(チリ、アメリカ、オーストラリアなど)の台頭に苦戦を強いられている。大量生産するためには除草剤と農薬を大量に必要とするが、すると土地は荒れ、ワインの質は年々劣化する。それを補うためにワインに細工をする、という悪循環を生んでいる。  そんな中、リシャールが実践するのは「ビオ・ディナミ農法」という有機農法の中でも過酷なもの、言わば自然との共存を図る農法だ。化学肥料も除草剤も一切使わず、瓶詰めの際に必要な保存料もゼロにする徹底ぶり。だがその現場は、まさに自然との格闘の場だ。エティエンヌは冬の剪定に始まり、春の棚づくり、夏の除草作業、夜中の肥料まきなど、葡萄栽培の熾烈な現場に身を置きながら、次第に自然、そしてワインを敬う気持ちが芽生えてくる。  一方のリシャールは、エティエンヌから大量のBDを読むことを要請される。BDとは「バンド・デシネ(Bande dessinée)」の略称で、いわゆるフランス・ベルギーを中心とした地域の漫画のことである。日本語のニュアンスで理解される「漫画」とは異なり、フランスでは「9番目の芸術」と認識されるほど、社会性、芸術性に富んだ作品も多い。様々なBD作家たちとの出会いの機会を得ることで、リシャールもまた、抽象的な概念を具体的な絵で描く作業と、土地の様々なファクターをワインという生産物に仕上げることの共通性に気づくなどして、ワインが芸術であることの認識を深めていく。  自然派ワインの巨匠と社会派バンド・デシネ作家、異質な二人の交流と発見を描く実録マンガ。フランスでは累計27万部を売り上げ、およそ14言語で翻訳出版された話題作が待望の邦訳化。
試し読み
ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記

ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記

戦火の日々、記したのは、娘の成長と彷徨える人間の心。 日本の支配と戦争の只中も、慈しんだ家族の日常。祖国・韓国は日本の植民地下。独立を夢見て亡命した中国は日中戦争に突入。避難生活を余儀なくされた大韓民国臨時政府夫妻の姿を、我が子に希望を託す「子育て」の視点から綴った日記をグラフィックノベル化。赤ん坊の成長を主眼にしながら、日本軍の泥沼戦、先行きの見えない韓国同胞、泰然自若とした中国人の知られざる姿を繊細に描きだす。 「この地で、父親がこの子にしてあげられることは何か。一寸先は闇でしかな い今のこの家庭で、温かさと慈しみの心でひたすらこの子を守ってやること か? それとも父の選択を受け継がせ、運命だから受け入れろということか。 将来この子から、異国を彷徨い暮らした理由を尋ねられたら、独立を成し遂 げるという私たちの悲願を説明できるのだろうか。」 2018年ソウル図書館「今年の 10冊」/ 2019年韓国文化体育観光部優秀文化商品選出 
試し読み