あらすじ数百人の人質をテロ組織から救う作戦…!? 是枝達が警護する淡路島のサミット会場で起きた、国際テロ。会場の警備を破ったのは13歳の少年だった!! セーフルーム内に侵入したテロ組織の目的は、人質となった先進国首脳陣を処刑してその恐怖を世界に知らしめること。対策本部にいる是枝や坂井達が人質を救出するための奇策を捻り出し…!?
高いハッキング能力を持ちながらコミュ力が低く、高校を中退、バイトもクビになり、廃墟となったビデオショップに住んでいる少年、是枝一希。彼の目の前に現れたのは"エンジェル投資家"の坂井大輔。坂井は是枝に「お前の手を使って世界征服がしたい」と嘯く。住む世界の全く違う2人の出会いが、やがて世界を大きく変えていくという物語。 一見すると凸凹な2人のバディものっぽいけど、私には是枝が主人公の成長譚のように見える。エピソードを重ねるごとに、是枝のほうは何かしら新しいことを自分の中に取り入れどんどん引き出しを増やしていくけど、坂井のほうは細かい言動には違いがあるけど行動の軸は当初から一貫しているように思う。年齢面もあるかもしれないが、やはり坂井が是枝を導いて広い世界へと引っ張り出しているという印象が強く見えるからじゃないかと思う。ただ、単純な1対1のバディものではないからこそ、是枝は坂井だけではなく、巻き起こった事件に関わる多くの人々と"仲間"となり、文字通り是枝の世界を大きく広げていくことになる。そして最後の最後で是枝は坂井と対等な立場で坂井に問いかける。これによってこの作品が完結するところも清々しい、全19巻で綺麗に最後まで駆け抜けた作品。 全19巻読了