技巧貸与<スキル・レンダー>のとりかえし~トイチって最初に言ったよな?~

貸したスキルは"利息"付きで返してもらいます! #1巻応援

技巧貸与<スキル・レンダー>のとりかえし~トイチって最初に言ったよな?~ チーコ 黄波戸井ショウリ 小山ナオト
sogor25
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主人公は「神銀の剣」という名のS級パーティに所属するマージという男。 【技巧貸与(スキル・レンダー)】という固有スキルを持つ彼は、その能力を用いて自身の持つ他のスキルをパーティの仲間に貸与し、仲間がそのスキルを最大限に増幅させることで実力を上げていました。 しかし、スキルを貸すというその特性上、実際の戦闘では無能になってしまうマージ。 そのせいで彼は仲間から冷遇され、遂にはパーティから追い出されることになります。 そんな仲間に愛想を尽かし、これまで貸していたスキルの返却を求めるマージ。 スキルを返しても十分な経験値を重ねてきたため問題ないとあっさり返却に応じる仲間でしたが、 実はマージが貸していたスキルには、過去6年間で積み上げられた莫大な"利息"が付いていたのです。 こうして自身のスキルを利息という大きな見返りと共に"とりかえした"マージが、パーティを離れて自由の身となり新たな旅を始めるという物語です。 人生やり直しの物語であり俺TUEEE系の要素もあるため、自身のスキルを最大限に活用しながら活躍していくマージの姿が魅力の作品です。 また、マージにスキルを"返却"したあとのパーティの元仲間も今後と往生するようで、彼らの"その後"がどのような描かれ方をするかも気になる作品です、 1巻まで読了

今日はカノジョがいないから

浮気はあたしのせいじゃないし #1巻応援

今日はカノジョがいないから 岩見樹代子
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

同級生の彼女がいながら、別の女子に誘惑される女子が主人公の本作。実は1話冒頭に、こんなモノローグがあります。 「だってあの時 君が可愛いって言ってくれれば きっとあたし悪いことしなかったのにね」 ……悪いことするんですね笑 どうやら「悪いこと」に向かって進んでいくようですが、どの様に悪いことに向かって進んでいくのか、誰がどう悪くて、どういう言い訳をするのか……あえて最初に先行き(ネタバレ?)を提示することで、却って内実が気になって仕方ない。下世話なスポーツ紙の「〇〇不倫発覚/か!?」というアオリの様な、強い誘引力(/は新聞の折り目ね)。 そして面白いのは、彼女持ちの主人公を誘惑する「二番目でいいよ」と言う女子。 この子の言い寄り方が巧みで、思わず「浮気するのもしょうがないな!」と感じてしまう程。突然至近距離に近寄り、恋愛可能性とメリットを提示し、駆け引き、取り引き、責任転嫁と、この1巻だけで恋愛心理テクニックの指南書になりそうなくらい。 テクニカルに見えるということは、そこにあるのはやはり、かなり下衆なものだという事。治安の悪い百合、確かに拝領しました!

ダーウィン事変

人間社会の異質なこと、考え方、色んなことを考えさせられる。

ダーウィン事変 うめざわしゅん
干し芋
干し芋

2巻まで読了。 人間ととチンパンジーの間に生まれたハイブリッド、ヒューマンジーのチャーリー。 母親のチンパンジー、エヴァは天才で、認知能力では、人を上回り詩まで作っていたという。 そのエヴァに興味を持ち研究を始めたグロスマン博士は、まさかの子どもまで作っていた。 同僚の間では、「二人は恋仲だ」とも言われていた。 エヴァは、出産のダメージで脳に障害が残ってしまい、現在は、一般のチンパンジーより認知能力は低い。 しかし、15年経って、チャーリーが会いに行ったとき、今では、認知能力のないエヴァが、カードでメッセージを伝えようとしてきた。 これは、ただでたらめにカードを選んだだけなのか? 謎が深まる! 現在は、人間の両親の元で育てられ、高校に通い始めたチャーリー。 この、漫画の魅力のひとつは、やっぱりチャーリーがキュートなこと。 眼がくりくりしていて、鼻の下が長くて、耳が大きく、口の形がちょっと河童みたいで、ほんとかわいい♬ そして、運動神経が信じられないくらいに良い上に、考え方も論理的でクール。 次々と降りかかる、事件をどうやって対峙し解決していくのか。 人間とは認められていない、ただの物としての扱いにしかならないチャーリーの未来はどうなるのか。 本当に、楽しみしかない。

ダーウィン事変

ヒューマンとチンパンジーのあいの子、ヒューマンジーチャーリー

ダーウィン事変 うめざわしゅん
さいろく
さいろく

こりゃー事変だ。 3巻まで一気に読了。 すごい漫画だ、そしてすごくアメリカだなぁとつくづく感じる。 かといってこの題材で日本だと現実味はないとわかっててアメリカなんだろう、想像してみりゃわかる自然さと、リアルすぎる文化が入り交ざっている。 どうなっていくんだろう、どうするんだろうという期待も含め、これまで自分の読んできた短い名作たちと同じ短めな物語になってしまうのを想像してしまう。 ただ、自分の感覚ではこの時点ですでに名作だ。 自由の国では何を主張してもいい、みたいな風潮はあるけど主張したことで起こるその後の事については誰も守ってなんかくれない。 例えば(この漫画でも序盤に話題に出てくるが)私はヴィーガンはある種の宗教のようなところがあると思うけど、多数の人が集まるとそうなってしまうもんなんだろう。 ヒューマンジーであるチャーリーは唯一無二だが、この世界において生を受けたという意味ではただの一人でしかない。ONEであることはひどく難しい、というのがよくわかる。 なんか色々言いたくなる漫画でもあるなー、とにかくすごい漫画。 単行本派なので次号で終わってしまいそうな心配も少しあれど、それはそれで仕方ないとも思う。 うめざわしゅん先生の知識や想像力がいかんなく発揮されているので、この後の目を瞠る展開を楽しみに待ちたい。

てんぷる

「ぐらんぶる」よりラブとお色気強め

てんぷる 吉岡公威
六文銭
六文銭

好色な父親のせいで、不遇な毎日を送っていた主人公。(主に女性からの偏見) 結果として、 人生に女性など不要 豪語し、煩悩を断ち切る。 が、偶然出会った女子高生に一目惚れしてしまい、 今まで抑えてきた情欲がふつふつと沸き起こってしまう。 そんな自分にたえられず出家を決意するも、 その寺が「尼寺」で、件の女子高生がいたという流れ。 ここまでハイテンションかつ怒涛の展開に、 「ぐらんぶる」を彷彿とさせます。 ただ先方がサークルを通した男子高的なノリに対して、 本作はより女性陣が際立った感じがしますね。 作家さんがとても魅力的で可愛らしいキャラを描くので、個人的にはとても好きです。 「ぐらんぶる」 青春+ギャグ強め としたら 「てんぷる」 ラブコメとお色気強め といった感じでしょうか。 尼寺には妹たちがいたり、留学生(こちらも主人公同様、煩悩が強めで克服するため)がいたり、お約束的に容姿・性格ともにバリエーション豊富に攻め立ててくれます。 上述のヒロイン女子高生の蒼葉結月(あおばゆづき)が、修行をし1人前になってお寺を継ぐという本筋がありながらも、基本ドタバタしたラブコメ展開は読んでていた飽きないです。 「ぐらんぶる」好きな人は、もちろんですが、ラブコメ(ドタバタ的な)が好きな人も楽しめる1冊だと思います。

矢野くんの普通の日々

怪我と学ランのハーモニー

矢野くんの普通の日々 田村結衣
たか
たか

今日コミックDAYSのトップを見てたらバナーに怪我でボコボコの男の子がいて、気になって開いたら「えっ!もしかしてBL?」と思ってしまうほど繊細かつ色気のある扉絵が待ち受けていてまんまと読んでしまいました(スニーキーレッド好きな人) https://comic-days.com/episode/3269754496323056140 矢野くんマジで毎日ビビるほどボッコボコで吉田さんと同じく悪い想像をしてしまい心配だったのですが、単にドジっ子なだけらしく(それはそれで逆に心配だけど)ひと安心。 「怪我だらけの男子高校生は見たいけど、暴力はちょっと…」という複雑な乙女心にこたえてくれます。 和山やま先生の色気&ユーモアと舟本絵理歌先生のフェチズムをフュージョンさせたような作風でどひゃ〜とあっさり好きになり予約購入してしました(明日発売) ギャグシーンのデフォルメがレトロな感じで特に笑ってるときの三角形みたいな口の描き方が好き。さもえど太郎先生とかたなと先生っぽい。 巨匠に似てる似てる言いまくってしまったあとに恐縮ですが、この作品はなんといっても絵が素敵なんですよ…! すべすべお肌に桃みたいなほっぺにちょっぴりしかない鼻……!愛らしすぎる。 私は存じ上げなかったのですがもともと有名なイラストレーターさんとのことで納得です。 明日の1巻楽しみ!

あの子の子ども

16歳で結婚できなくなる時代に読みたい教書 #1巻応援

あの子の子ども 蒼井まもる
兎来栄寿
兎来栄寿

2022年4月から民法が改正され成人年齢が18歳に引き下げられると共に、女性が結婚できる年齢は16歳から18歳に引き上げられます。 身体的な機能は成人と同様となっても結婚できるまでには今まで以上のタイムラグが生まれることにより、今後この作品で扱われている「高校生の妊娠」というテーマはより重い意味を持ってくることになるでしょう。 本作では本当にどこにでもいそうな普通の子が主人公となっています。また、この手の作品では代表的な『14歳の母』では妊娠させた彼氏は年相応に子供っぽく無責任な性格でしたが、『あの子の子ども』においては珍しく彼氏側が大人びていて非常に誠実です。最初から二人の問題として、一緒に乗り越えて行こうという姿勢を見せてくれます。しかし、たとえそんな素晴らしい彼氏であっても一筋縄では行かない難題であるということが逆に浮き彫りになっていきます。 私は、この作品を小学生高学年くらいからの性教育と並行して読んで、学んで考えてみて欲しいなと思います。 いざ妊娠した時、それは自分だけの問題としてもあまりに大きいものです。体調の変化やメンタルへのダメージ、周囲との関係性。妊娠した後の想像以上の大変さを妊娠する前からリアルに考えられる子は少ないでしょう。 そして、自分のことだけではなく家族や周りの人間にもどれだけ大変で辛い思いをさせることになるか、というのが物語を通してよく伝わってきます。 そうした想像力を補ってくれる、意義のある作品です。彼らがどんな決断をしてどのように歩んで行くのか、見守りましょう。

雨夜の月

聴覚障害者と心通わす百合 #1巻応援

雨夜の月 くずしろ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

女子高生が聴覚障害者のクラスメイトと心を通わせる過程を描くこの作品。ライトなノリの台詞の遣り取りの中に心の揺れを幾重にも描いて、ハッとさせられる事の多い内容となっています。 聴覚障害の描き方がステレオタイプで無く(参考文献の多さからも窺えるのですが)一人の「その人固有の障害という特性を持つ」女性のリアルが見えてくる様です。そしてその特性故に周囲と壁を作り、入学早々孤立する彼女に、懸命に、悩みながらもきちんと意思を確かめながら接する主人公。 彼女固有の障害についてストーリーの流れで分かりやすく描写されていて、孤独を深める理由が心に響く。それ故に真摯に関わってくる主人公に、彼女が少しずつ心を許す描写にも説得力が生まれるのです。 しかしここで、一つの謎が生まれます。 なぜ主人公は、彼女に関わろうとするのか。 正義感や同情ではない。ただ相手を知りたいと強く願う主人公の動機は……私は誰かと仲良くなりたいと思う時、実はその人に理由無く、目を惹かれてはいなかったかと思い返す。 彼女との出会い、習いに行っていたピアノの女性教師の結婚……そう、これは間違いなく、百合の物語なのです。

女ともだちと結婚してみた。

恋の無い結婚に愛はある #1巻応援

女ともだちと結婚してみた。 雨水汐
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

同性婚が法制化された日本を舞台に、二人の女性が試しに結婚してみる、という物語ですが、同性婚についてだけではなく、もっと広く結婚について考えさせる内容だと感じました。 女性同士、友達関係のまま恋愛をすっ飛ばして始める結婚。性格も生活スタイルも違う二人だが互いに生活能力はあり、男女の結婚のような性役割がないので、お互いにどうしたいかを話し合って進める結婚生活は理想的に見えます。 その中で、奔放な相手に恋しているが、その奔放さを愛する故にそのまま受け止めてそれ以上を求めない女性の愛の在り方に打たれる。私はこんな見返りを求めない、大きな愛を持てるだろうか……。 そしてその愛に少しずつ気付く、奔放な女性。彼女が相手を大切にしたい、という感情を獲得する過程……それは思い遣りという、小さな愛を積み重ねる過程。 恋から始める結婚だって、半ば賭け。恋が冷めた時、そこに愛が残るかはその時になってみないと分かりません。盲目な恋の先に残ったのはよくわからん人だった、という可能性は高い。 そんな曖昧な恋に頼るよりも、お互いに過ごしやすい、気楽にいられると感じる相手と暮らた方が、楽しい生活を送れる確率は高い。もし「積み重ねた時間の分だけ愛が生まれる」と言うなら、なおさら一緒にいて楽しい友達と結婚する方が、理屈は合ってる。たった1巻で強い絆を結びつつある二人を見ていると、そんな風に思ってしまうのです。