まんが極道 #推しを3行で推す
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 連載中も読んでいたが今回まとめて読み返してみたが今読んだ方が面白いな。マンガに対する知識も増えているしなんとなく元ネタもわかるようなわからないような感じだ ・特に好きなところは? 唐沢なをきの描く動物。ハムスターが可愛すぎ。あと雑誌名と作家名がいいね ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 大体一話完結だので読みやすいのでなんとなく寝る前に一冊づつ読むと良さそうです。
生きていく上で必要なことを、すべて漫画から学んだ者たちと、生きていく上で全然必要でないことまで、すべて漫画から学んだ者たち。漫画に生き、漫画に死ぬ人々の悲劇、喜劇、その他もろもろを描いて描いて描きまくった漫画業界志望者、必読の書!!
この作品は唐沢なをき氏が描く、漫画界のあれこれをネタにした「ギャグ」漫画である。
決して実在の漫画家、作品、編集部、読者、その他の人物にも団体組織にも一切関係の無いフィクションである。
だから現実の漫画界で、
同業に対し醜悪な感情を表す漫画家や、原稿の紛失により血みどろの戦いをする編集部も、作者や作品に異常な感情を向ける読者も、周囲に迷惑をかけまくりながらも諦めない志望者も、同人の自由を殊更に持ち上げプロを見下し慰めとする読者も、身内の介護と連載で身心ズタボロになる漫画家も、ポリコレに配慮してドツボにハマる編集も居ない
…筈。
ただどういうわけか、デジャビュというかイメージというか何らかの個人名やハンドルネーム、作品名、団体、事件、編集部幾つか元ネタと思わしきあれこれが思い浮かんでしまうのだが、それは単なる錯覚で、ギャグマンガ的演出が多分に存在するので、まったくもって真実ではない。
まあとにかく「そういう」作品であるため、かなーりブラックなギャグが盛り込まれた、当時の漫画界の毒を徹底して調理した作品である。
一応毒抜き自体はされているが、その辛辣さは体質に合わない人も確実にいるだろうし、かなり広範な内容を扱っていて「毒に当たる」可能性も高いので決しておススメできるものではない。
しかし扱われた範囲の広さや、ともすれば深刻に成り得るネタをきっちりギャグに仕上げた技量は圧巻。
強烈なのは、どうしようもない邪悪な存在は編集部やマスメディアではなく、読者や作者にだっていくらでもいるという、作者のシニカルな目線。
全部が全部そうではなく、割と救いの感じられるネタも無いわけではないし、先に言ったようにあくまでギャグなのだが、まるでナイフで刺してくるような緊張感すらある。
漫画界で問題が起きた時に、直ぐに作家側に立ちたがるのが読者の人情だが、そういう気を無くし情報が集まるまで中立を取る、良くも悪くも大人にさせてくれるような強烈な漫画家達はある意味必見。
ギャグ漫画として笑うもよし、ルポ漫画としてげんなりするもよし、毒漫画として辟易するもよし、漫画家漫画として訳知り顔を気取るもよし、読み方は何通りもあるが、本クチコミを切っ掛けに読んで毒に当たっても責任は持てない。