守娘
原典の台湾怪奇伝説はもちろん知らないけど、「そこそこ裕福なお家の世間知らずお転婆女がオカルティックミステリーに巻き込まれていく」とまとめてしまえばかなり現代漫画ナイズっぽくもある。 「生きてる女にはできないことが悪霊になれば簡単にできる」というセリフが凄くて、これだけ見ればホラーバトル漫画の限定解除っぽい(?)。 画力すげえ〜けどカロリーが高い感じではなく、レイヤーの重なりは長い時代に渡って積み重なった怨念のようにも。 電子で買ってしまったけど紙で買い直そうかな。
そういう方向ではなかった。
幽霊は出てくるけど、ちょっと違う。
清朝時代の、台湾の女性たちが描かれている。
そこから生まれた、悲しい運命の女性たちとその物語。
当時の女性たちは悪霊になったほうが自由で、できることも多いのでは、と主人公が思ってしまうほど、女性が許されていることは少ない。
さらに見知らぬ男に誘拐されかけて暴れても「娘の躾している、こいつは〜〜」といえば、周りはすんなりと納得する。
大きくなって結婚するとしても、持参金をたくさんもらえば、嫁入り道具は高価なものを用意しなければいけない。
ほとんどの人が貧乏な時代、酷な制度だ。
結婚したらしたで、妻は男を産めと期待され、もひ生んだのが女ならば、男でなかったことへの悲しみに加え、この子も自分と同じような人生を歩むのかと絶望に暮れる。
どうやって男を産むかという民間信仰もコラムに書かれているのだけど、書かれた方法の多いこと、多いこと。
そんな時代なので、女の子が生まれたら親が殺してしまうことも多々あったらしい。
その結果、女が少なく、結婚できない男が増えた。
そこで発明されたのが、幼女を家に迎えて育て、息子の嫁にするという方法。光源氏もびっくり。
というように、作中でも説明されているとはいえ、背景知識がたくさん必要なので、予備知識がない私は2周目でようやく話を追いながら読むことができた。
こわいというより、悲しい話だなと思った。
たしかに、幽霊は出てくるのだけど。
杜(ド)家の娘・潔娘(ゲリョン)は兄に可愛がられて育ったが、兄嫁や親戚に結婚を勧められることに嫌気がさしていた。そんなある日、川辺で見つかった女性の遺体に儀式を行う女性霊媒師と出会う。突如現れた小さな手形や誘拐・人身売買など、女性に対する様々な事件の秘密が明かされていく。差別と権力、鬼神と迷信、台湾に古くから存在する社会現象の裏側に、女性の視点から迫る。
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