もしかしたら空想かもしれないし、事実かもしれない。
いろいろな人達の「あのとき、もしかしたらやれたかも」を話してもらい、三人で審議する「やれたかも委員会」。 大人たちが心に秘めているだろう、「あのとき、ああだったら今は違っていたかもな」が詰まったストーリー。 作者さんの完全な空想と思っていたら、読者?提供ネタだったんですね。 そのネタが空想か事実かはわかりませんが、酒を飲みながら隣で話されたら、自分も札を上げそうなお話です。 そして都度書かれるお金の話に、自費出版?!と、もう一度驚き。 実写ドラマ化もしていたんですかと、さらに驚き。 すごいテーマの漫画だなあと読んだら、漫画そのもの以外も驚きで満ちていました。 ちなみに、プレゼンター?による話を聞いたあと、月満子さんによるツッコミがとても好きです。
およそ、男が集まって酒飲みながら話すようなシモい内容なんだけど、どこかエモいから不思議な作品。
やれたかも
ということで
実際やっていない(やれなかった)
という点が、ピュアに感じる点なのかもしれない。
大人の関係にならず、少年時代の初恋に近しい印象をうける。
また、ただのエピソードの紹介だけでなく、「やれた」か「やれたとは言えない」の評価をしてくれるのも面白い。
3人の審査員で、「やれた」と全肯定する人もいれば、「やれたとは言えない」を出して全否定する女性もいる。
そして、この女性が的確すぎて現実に戻されるのも一興です。
なにはともわれ、
やれなくても、その妄想だけで楽しめるのが男なんすよね。
その妄想がつまった1冊です。
まったくもって追体験できるようなものが、私の過去にはありませんが。