別角度の新選組マンガ
思想の違いから新選組と袂を分かち、伊東甲子太郎を筆頭に組織された御陵衛士。 結果として、新選組から狙われ「油小路事件」へとつながる。 この一夜の事件をたっぷり3巻使って、新選組VS御陵衛士たちの奮闘を描いた力作。 とにかく、剣戟シーンが圧巻なんです。 日本剣術史上最大の戦いと言及されているように、今まで「戦」といえば、対馬上だったり、対鉄砲だったり、対弓矢だったりして、刀対刀での戦いは意外とマレだったんですね。 ガチの真剣勝負ってのは、戦争がなくなった江戸時代を通して、各流派による剣術指導が盛んになってからというのが面白い。 そんな、剣術を磨き込んだ猛者たちが、信念や仲間を背負い戦う姿は、格好いいの一言。 御陵衛士もそうですが、新選組もかつての仲間と戦わなければならない葛藤も、味わい深いです。 普段、新選組は主役になりがちですが、敵として表現される姿も新鮮で良かったです。 一部の過激な新選組シンパの人以外であれば(実際、御陵衛士の1人によって近藤勇は暗殺未遂、捕縛され、新選組の崩壊へとつながるので)、歴史マンガとして、またバトル・友情マンガとしても、楽しめる内容だと思います。