自虐と自慢、起承転結のバランスが良いにコメントする
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ローカル女子の遠吠え

東京は遠きにありて想うもの

ローカル女子の遠吠え 瀬戸口みづき
名無し

「負け犬の遠吠え」という言葉からは あまりいい印象を受けない。 その点でこの「ローカル女子の遠吠え」という題名は 上手いネーミングだな、と思った。 「田舎女子の遠吠え」とか「静岡女子の遠吠え」では 田舎や静岡の人から怒られれそうだし。 とあるイチ・ローカル出身女子の話ですよ、と チョットだけネタ対象をぼかしたわけだが、 どうせ一読すれば「静岡かよ!」と ディスり対象は丸判りで、それで問題はないし。 (いや、静岡をディスって良いと言う意味ではないが) 逆に静岡ディスりをもっと前面に出すのであれば 「シゾーカ女子の遠吠え」でも良かったかなとも思うが(笑) 私は「ローカル女子の遠吠え」を読んで、 瀬戸口先生って都会と地方、東京と静岡の 比較感覚とかギャグセンスも含めてリアルだと思い、 眼の付け所とかバランスとかいいなあ、と思いました。 はい、私も静岡県出身です。 子供のころはゴールデン・ウィークは茶摘ばかりで ほとんど遊びになど行けませんでした。 GWに遊びに行けない不幸?とかその他とかで、 私も子供のころは、やはり田舎はメンドクサイ、 都会はいいだろうな、とは想ったりしたわけです。 しかし現実には都会は便利で娯楽も多いけれど お金と時間の両方に余裕があるならば楽しめる、 という面が大きい。 その点、田舎は収入や娯楽は少なくても、 適度に生活を成り立たせて暮らす余裕は確保しやすい。 なので静岡の特徴的なところを 「それが普通」と思えば苦にはならんし、 「そこが良い」と思えば楽しくもなるのですよね。 その辺について主人公の有野りん子さんは 東京生活で疲れて静岡に戻りながらも 東京全否定でも静岡全肯定でも、その真逆でもないスタンスで、 静岡の独特なところを、りん子さんの独特な思考回路で 実感して見つめなおして評価します。やや自虐的に。 その流れとか結論とかが面白すぎる(笑) 漫画ですし、りん子さんがそういうキャラだから 面白いのだからこの漫画はそれでいいしそれがいい。 リアルでは静岡に限らずそれぞれの地方のローカル民は 東京とか都会はいいなあと言いつつ、 地元の独自性を自虐ネタにして笑って生活している 人が多いんじゃないかと思いますけれどね。

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもあえて女性のリアルな部分を描きすぎない選択をしたのは、原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

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