4.0
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内容はタイトルの通り、あやかしものです。
少し、一話完結もので、ボリュームがあります。
若い怪奇雑誌編集者である主人公の香月は、仕事柄か人柄か、何故か怪奇や怪異と呼ばれるものに巻き込まれやすいようです。
怪異がもつ、怪異のうらにある哀しみや思いが描かれており、あちらにはあちらの事情があるのねと思ってしまいます。
崇拝する先生・泉鏡花が関与することで、怪異は消えてなくなります。
耽美と怪奇と幻想と。
そのあたりの言葉で説明される作家・泉鏡花の作風を現したかのようなキャラクターになっています。
本作にあるように、もしかしたら視えていたのかもしれないですね。
そして時代も明治であれば、そういうものもいたのかもしれません。
作中で、キャラクターたちが耽美と退廃の違いを語っていたのは、おもしろいなと思いました。