オモロイし、社会派漫画にコメントする
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アンチマン

ほんとうに、この方向性でいいんだろうか、という不安。

アンチマン 岡田索雲
名無し

いや、すぐれた漫画だと思う。とても。 いろんな人がいろんな感想を書いている。どれも納得できる(できないのもある) 連作『ようきなやつら』の延長線上に成り立ったこの境地を深めていくことをきっと多くの漫画読みが期待するだろう。自分だって読んでみたい。 その一方で、アンチマンを読んだ後に『鬼死ね』や『マザリアン』等の過去作を読んでいたら・・・ある種の寂しさと不安を覚えもした。 つまりは岡田先生のこれまでの漫画に常にあった得体の知れない『広さ』というのが、ふと弱くなっている気がしたんだな。 岡田先生の持っていた語り得ないものが既知の図式というか、言説に回収されて行く感じ。そこを、政治的正しさと切って捨てられないぐらいのうまさや解釈の幅がまだまだある分(たとえば主人公がぶつかり男的行為に及んでいたのは単なる妄想かもしれない等)、なにかモヤモヤが残ってしまう。 この、『面白さが既存の図式や言説に回収されていってしまう感覚』は、本作に留まらず、いろんな漫画に最近感じる。 時代の流れなのか、自分がアップデートできていないだけなのか。 どうなんでしょう?

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

アンチマン
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