コンビを描くのが本当に上手い
「阿久津さんは推しに似ている」「リタイア、油売り」の白川すみれ先生の別作品。いや本当にコンビのやりとりを描くのがうますぎる。めちゃくちゃ面白いし、掛け合いのリズムが心地よい。笑いのセンスもあって改めて天才だなと思いました。運転手さんと一緒にふふって笑っちゃいました。翼をくださいのコマが一番好きです。というか最後に出てきたゆりちゃんが「阿久津さん」の秋原さんぽくてこれも笑いました。オタクを描くのも上手…!!
芸人オタクとして登場するお友達のようなテンションのキャラクターが、どうやら私は好きらしい。
学生のころ、お笑いにハマってるクラスメイトっていたなぁ。なんなら一緒に笑ってたなぁ。
しかし、タクシー運転手をする友人父に「芸人を乗せたことがあるか」聞いてもらうなんて、なんと都会っ子な会話!
『いとおかし』は、友人父がタクシーに乗せた一発屋の芸人の人たちが描かれている。
タクシー車内なので会話ベースの物語なのだけど、本当に会話を聞いているかのように、スルスルと読めてしまう。
テンポがよいというか、なんというか。
まあ、落ち目といえども芸人の会話だもの、そりゃおもしろいよね。と思ったあとに、ふと考え直す。
いや、作者は芸人ではないぞ。
ノンフィクションではないぞ。
頭が情報処理を誤ってしまった。
疲れた一発屋の芸人と、キャイキャイしている学生ふたり、タクシー運転手のお父さん。
みんなのその後をチラッと見てみたくなる。
【モーニング&イブニング月例賞2022年5月期】奨励賞受賞作品