タクシー運転手が乗せたお客さんの話
芸人オタクとして登場するお友達のようなテンションのキャラクターが、どうやら私は好きらしい。 学生のころ、お笑いにハマってるクラスメイトっていたなぁ。なんなら一緒に笑ってたなぁ。 しかし、タクシー運転手をする友人父に「芸人を乗せたことがあるか」聞いてもらうなんて、なんと都会っ子な会話! 『いとおかし』は、友人父がタクシーに乗せた一発屋の芸人の人たちが描かれている。 タクシー車内なので会話ベースの物語なのだけど、本当に会話を聞いているかのように、スルスルと読めてしまう。 テンポがよいというか、なんというか。 まあ、落ち目といえども芸人の会話だもの、そりゃおもしろいよね。と思ったあとに、ふと考え直す。 いや、作者は芸人ではないぞ。 ノンフィクションではないぞ。 頭が情報処理を誤ってしまった。 疲れた一発屋の芸人と、キャイキャイしている学生ふたり、タクシー運転手のお父さん。 みんなのその後をチラッと見てみたくなる。