火葬場で見つかった老夫婦の焼死体。
その夫婦は子供もなく、最近妻が認知症になり、夫がその介護をしていたという状況。
そこから介護疲れによる自殺とみなされたが、しかしその真相は・・・という話。
週刊誌の記者である伊能が現地を訪れ、事の真相を地域住民から聞き出していく展開は、ミステリーっぽさもあるけど、それ以上に人間ドラマ的な要素が強く、最後は感動した。

二人が死に至った思いというのが、懺悔でもあるし、故郷に対する思いもある。
何より、愛情もあるだろう。
相手を残して先に死にたくないという強い思いが、後半にかけて強くにじみでてくる様に、特に自分は感動しました。
子供のいないたった二人の家族だから到達した感情だと思います。

実際にあった事件ー老夫婦が焼死体で発見されたーをモチーフに、内容はフィクションではあるようだが、実際の事件にも、本作のような二人の何か思いがあったのか?と感じずにはいられません。

最期の瞬間、死に方にその人の人生観がでるとすれば、これほど美しいものはないのではないでしょうか?

読みたい
だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
もろびとこぞりて

もろびとこぞりて

都内から千葉県に引っ越してきた大島一家。一人娘の真琴は地元の中学に転校し、穏やかな生活を送っていた。一家の秘密が知られるまではーー。ある凶悪犯罪と、加害者家族の末路。終わらない悪意の渦が一家を襲う時、人の暗部が暴かれる。罪と罰、同調圧力、正義の押し付け…。現代社会の病巣を、奇才ウチヤマユージが鋭く抉った、衝撃のヒューマン・サスペンス堂々登場!!

葬送行進曲

葬送行進曲

嵐の夜、山道に迷た男は廃屋で一夜を明かす。しかし、廃屋と思われたその家には老婆が一人で住んでいた。さらにその家は「よくぞこれだけ!」と思われるほどのゴミに溢れたゴミ屋敷であった。行き場のない男と、どこへも行けない老婆。ワケアリの二人の孤独な魂が共鳴し……。前作「よろこびのうた」では実際にあった事件を題材に日本の問題をあぶりだしたウチヤマユージが、今作でもまた人の心の暗部を優しく掬う。

月光

月光

ヘルプデスクに9時・5時で勤める一見普通の青年・坂本。彼の自宅はひっそりとした郊外の一戸建て。そこには厳重に施錠された地下室があり、ワケあり少女との奇妙な共同生活が営まれていた。『松濤一家殺人事件』、『闇サイト』、『誘拐』、『筆談』──キーワードが導く異常な真実とは? コミティアで活動を続けてきた新鋭ウチヤマユージが、誰にも似ていないタッチで描く“日常系クライム・サスペンス”。

「死」にこめられた思いにコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。