猿ごときにそんな…と思ったけど
広告につられてまんまと読んじゃった。 猿ごときに…と思うんだけど、これだったら人間も苦労するわな、という設定が面白い。 にしても正直6巻まで続けるほどの内容か!?でも読んじゃう。
天明三年。世では飢饉による食糧難のなかでも、主人公の可畏が住む山村では野生の動物を狩ることで他よりも幾分良い生活ができていた。しかし、ある日山で迷ったという男が村に来る。一向に目を合わせようとしないその男を訝しむ可畏だが、家族とともにもてなす。そしてその夜、村の外れではさらなる招かれざる獣が入り込んでいた...。
猿って怖くないですか?
猿好きな方には申し訳ないのですが、
自分、小さい頃から猿ってあんまカワイイと思ったことないんですよ。
リスザルやメガネザルは多少愛嬌があるとか言う人もいたけど、全然理解できなかったす。
たぶん、微妙に顔が人間似ているところとか、愛嬌どころか打算的というか小賢しい感じが好きくない理由なんだと捉えてます。
日光さる軍団の猿回しとか正気の沙汰じゃないっすよ。(なんでだよ)
そして、まさに自分の気持を投影し、逆撫でしてくるような作品がでました。
それが、この作品です。
猿が人間のマネをして、人間の道具や武器を使いこなし襲ってくる話。
その習得の仕方なんですが、目をギョロギョロして道具を眺めるんですけど、それが見ていて心底腹立つんです。
なんだ、その目は!と昔の体育教師ばりに顔面平手打ちしたい。
すぐにマネできるくらい知性はあるんですけど、基本理性がないので、本能で行動している感じも余計に腹立つ。
対策として、マネされないよう武器を使う姿を見せてはいけないようなので、何もしない、我慢するだけなのですが、それも歯がゆい。
とまぁ、腹がたってばっかですが、実際内容は結構ホラーで全然笑えないです。
マネできたこと(投石や棒で殴るなど)で襲ってくる猿の容赦ない行動に村人はどんどん犠牲になっていきます。
また、舞台が江戸時代なので、火縄銃みたいな猟銃くらいしかなく、近代的な武器がないのも恐怖ポイント。
ライフルがあれば、ぶっ放したい。
主人公は温厚で優しすぎるきらいがあるようですが腕はたつよう。
まだ1巻では戦っておらず、彼が今後猿とどう戦っていくのか?気になります。
息子とか奥さん、主人公の家族が危機的な状況なのも不安です。
もし家族がこの猿たちに殺されてしまい、その怒りで、山にこもり、音を置き去りにしながら祈る時間が増えた状態まで仕上げてきて、
「この腕力までは真似できまい」
と、この世から猿達を駆逐する復讐鬼と化したら最高だと夢想します