妖怪達から学ぶ人間の為の社会派漫画
web掲載時にも読んでいましたが、単行本でまとめて読むとまた違う印象になるなと思いました。岡田索雲さんってギャグも面白いけど、社会派な一面もあるんですね。性加害や人種差別などの問題も茶化すことなく真面目に捉えてるんだけど、漫画としての面白みは損なわれてなくてすごい。そのさじ加減ってすごく難しいと思うんですが、あとがきを読むとその点については考え抜いて描かれているそうで、お人柄にも好感を持ちました。 web未掲載の短編「ようきなやつら」は精神病院が舞台なんですけど、背景にひっそりとサトリくんのお見舞いに先生がとらやの紙袋を持ってやって来てる描写があるのを見つけました。サトリくん早くそいつから逃げて…
一番恐ろしかったのは、目に見えないものでもなんでもなく
『追鐙』の人間です。
人としての感覚が麻痺していたのか、証言にもあったように一人殺したら、後は何人殺しても同じだと思ったのか、死人の山、焼かれている人、死体に石を投げる人、人が死んだら万歳と叫ぶ人・・・。
これが、日常なら精神が病んでいるとしか思えない。
日本人のこんな恐ろしい生態を知って、これがいじめの根源なのかと思いました。
巻末の『ようきなやつら』が一番最初にネームがでいたとか。
それも、面白いなぁと思ったりしました。