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幸福な蝉
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妹にだけ暴力を振るう父親の下で生きる兄妹の物語。読み終わって「こんなの感想書けるわけない」となるタイプのただただ圧倒される素晴らしい読切だった。

公式の作品紹介がないため以下あらすじ。

・・・

優しい兄の「兄ちゃんが大人になったら あいつ殺して 2人で逃げよ 俺らの手で殺すんや ほんで 幸せに暮らそう」という言葉で、小学校6年生の妹・幸は決して手に入らない家族という幸せの代わりに恋心を手にする。
しかし、兄が友人と遊びに行って帰りが遅くなった日に幸は父に犯される。

・・・

幸がずっと願っていた本当の兄妹になることが、最後に壮絶な方法によって叶う展開はもう…。
幸が今までで一番の笑顔を見せ本当に幸せを感じていることに対して、クソみたいな家庭環境に怒ればいいのか、死によって救われたことを喜べばいいのか。感情がグシャグシャになった。

この作品、ストーリー自体もすごければ、踏切のシーンのマンガならではの表現(演出)も本当に巧い。
細い引っ掻いたような線を重ねるザラついた絵のテイストもシリアスな作風にものすごく合っている。

もはや途中から作者が16歳だということを忘れ完全にのめり込んで読んでいた。
(そもそも、その歳でジャンプラじゃなくて「モーニングイブニング月例賞」に応募してくるあたりもう有望としか言いようがない)

今後発表されるであろう鳥羽瀬七先生の新作を今から楽しみにしています。

妹にだけ暴力を振るう父親の下で生きる兄妹の物語。読み終わって「こんなの感想書けるわけない」とな...
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