ネットを使うすべての人に読んでほしい
テンポ良くサクサク読めて面白い。話のリアルさに吸い込まれ、どんどん読んでしまいました。 主人公の弁護士の仕事スタンスがタイトル通りの他人事なので、第三者から見てそこまで感情移入しなくて済む。 おちゃらけキャラの弁護士ですが、ただの他人事ではなく現実に向き合った最善の道をいく上での他人事に徹する、 というプロ意識の仕事をするのがみどころ。 最初のストーリーはある主婦がネットのブログに誹謗中傷を書き込まれて相手を突き止めて賠償してもらう、という話で実際の法的な話も詳しく書いてあり読んでためになりました。
バナー広告で見て面白そうだったので読んでみたらえげつないくらい面白かったです。想像の50倍面白かった。
「ストーリーも面白ければ漫画の演出も読みやすさも半端ねえ、なんじゃこりゃ!?」と思ったら原作は『将棋指す獣』『この世界は不完全すぎる』の左藤真通先生、作画は『19番目のカルテ』の富士屋カツヒト先生という豪華タッグで納得しました。
被害者を救うのは一切同情や感情移入をしない弁護士(パタリロみたいなつぶれまんじゅうによくなる)。
「他人事だ」と気持ちにこそ寄り添ってはくれないけれど、実力は半端じゃなくて的確に加害者を追い詰めてくれる。
「日本では名誉の価値が低い」から名誉毀損で訴えると損をするとか、被害者が情報開示請求をして裁判を起こすと加害者と長く向き合うことになり精神的に非常に辛いものになるとか……隅々までリアルで本当に勉強になる。
「私の知らない所で 私の知らない人達が 私の事を好き勝手言って笑って…」
「ただキモチよくなっている… あいつらは私をゴミ箱か便器かなんかだと思っているんだなって…」
この被害者の女性が裁判に踏み切ったときのセリフに痺れました。
(自分自身も思いがけないことから炎上に巻き込まれたことがあるのでなおさら響きました…)
既婚者の女性同士で起きたトラブルが、「他人事」という本作のテーマ通り最後は夫も巻き込んで幕を閉じる構成が本当に素晴らしい。
NHKで早くドラマ化した方がいい作品。
(▼第4話より。加害者のクソみたいな謝罪態度とそれによって目の前にいる相手がありえないくらい遠くにいるように見える表現が最高)