日本人的LGBTへの偏見とそれを受ける人の気持ち
すごい色々な視点で描かれていて、ストーリーも普通に良かったし勉強にもなりました。 実際に自分の兄弟姉妹が同性婚した、ないしはカミングアウトしてくれたとして、その事実をどう解釈するのかなーと思いましたが、やっぱり本人が幸せだったらなんでもいいんじゃないかなと考えたりしました。 複雑なようでとてもシンプルで、「愛」と「世間体」と「親」「家族」をテーマとしたいい作品でした。 正直、最初は面白半分で(というか下世話な興味で)1巻無料の時に読んだんですが、すごく真剣なマンガだったなぁ
父子家庭の弥一と夏菜の元に、カナダから弥一の双子の弟の涼二と結婚したマイクが訪ねてくる。
弥一は、マイクが夏菜に親戚のおじさんと自己紹介したことに違和感を感じる。それは、涼二から以前にゲイだと告白されていた時から心のどこかに引っ掛かりを感じ、カナダに行ってしまった弟と疎遠になったことの原因でもある。
しかし、3週間マイクとの生活を続けていく中で、周りの声や反応、日本でのゲイという存在に対する見えない差別を感じ、自分自身も同じく差別していたことに気付く。
娘の夏菜は、友達にカナダ人のおじさんがいることを自慢し紹介したいが、友人の家族が悪影響を及ぼすという理由でドタキャンされる。
子どもの素直な感覚と、大人の世間体を気にする感覚のズレも、よく描かれている。
ゲイの人への差別、カミングアウトのタイミング、大人のいらない噂話、まだまだ見えないところではびこっている社会に、人間としての家族としての大切なものを教えてくれるとても素敵な作品です。