近未来のレモンハート
これはすごい。なにしろ自由だ。 SFとちょっとした小噺を肴に今日も1杯やろうじゃない、って感じで登場人物も面白く、絵柄も相まってすごく温かみを感じる作品。 追記:5巻まで読み終わったけど、もう他作品と比較するようなもんじゃなく、自分の中で「これよこれ」っていう唯一無二の作品に昇格しました。
荒廃した未来世界、とある地下街の一角にある立ち飲み屋。切り盛りしているのは、きっぷのいい女将さんと店員のアンドロイド女子・笑美ちゃん。その店はサイボーグ、異種族、兵隊、ごろつき… などなど多くのお客で毎日繁盛しています。そして今日も騒動が巻き起こる……? 基本が1話4ページの短編まんが集です。全12話収録、本文64ページ。レシピ「女将さんの献立」やおまけミニ漫画なども収録。
表紙から見ると居酒屋グルメ漫画みたいにみえるんだけど、
SFも交じって混沌とした感じが、すごく自分好み。
第三次内戦?が勃発した未来の話なんだけど、
戦後の昭和感がスゴイ。
荒廃した世界に、人情だけが残って、
見ず知らずの隣の人ともスグに馴染んで笑い、辛いことがあれば一緒に泣く。
古き良き昭和のかおりがします。
出てくる食事も、場末の飲み屋のソレで、
本当に未来なのか?
というか未来って設定いるか?
と思って読みすすめるんですが、
客としてくる登場人物を通して、少しづつ世界観が明らかになっていき、これが妙な緊張感を与えてただの酒飲み漫画で終わらない凄みがでてきます。
先が気になるというか、一体どういう世界なのか惹きこまれるんですね。
酒屋で出るB級グルメも含めて、おっさん好みなものが、詰まっている作品だと思います。