アニメ化決定
アニメ化が決まったようで口コミ投稿。 人類がほとんど死滅?した世界を旅する少女たちのお話。 主人公2人以外の人間がほとんど登場しないが何故そんなことになっているのかについてはほぼ触れず世界を旅し、人類の遺産と向き合う。 荒廃の規模が違うが読んでいると『ヨコハマ買い出し紀行』を思い出してどこか懐かしい気持ちになる。 戦争やテロのニュースが続く昨今だが、人類が殺し合い行き着く先はこんな世界なのではと少し考えてしまう。
文明が崩壊した終末世界。ふたりぼっちになってしまったチトとユーリは、愛車のケッテンクラートに乗って広大な廃墟をあてもなくさまよう。日々の食事と燃料を求めて移動を続ける、夢も希望もない毎日。だけどそんな「日常」も、ふたり一緒だとどこか楽しそう。一杯のスープを大事に飲んだり、まだ使える機械をいじってみたり……何もない世界だからこそ感じる想いや体験に出会える、ほのぼのディストピア・ストーリー。
久々に、この「衝撃のラスト」というワードを使いたい。
というのも、ある程度年代を重ねてくると、なんとなくオチに予想がつくので、そこまで衝撃がなくなってくる。
既視感が強くなると言っても良い。
だけど、本作は自分的にかなり衝撃でした。
正直言うと、最初は、絵柄に抵抗あったんですよね。
だけど知人に熱烈にすすめられて読んだら、上述のとおり衝撃的でした。
このゆる~い絵柄が過酷なストーリーに幅をださせて、とにかく圧巻でした。
内容は、文明が崩壊した世界で、バイクのような愛車に乗って「上層」を目指していくという話。
ほとんど生物がいない荒廃した世界。
明日も生きていられるかわからない世界で、少女2人はひたすら「上層」を目指す。
そして、最後に彼女たちがみたものは・・・という流れ。
とにかく、この2人というのが良いんです。
うまく伝えられる不明ですが、
1人ではなく、2人だからより物悲しさが加速すると思うんです。
荒んだ世界に1人っきりのほうが悲しいと思うかもしれませんが、
世界に自分1人しかいなければ孤独は生まれない
という言葉があり、それに近い感覚なんです。
これまで2人でしてきた旅路。
色んなものと出会い、別れ、手に入れたり、失ったり・・・そうした過程を通して辿り着いた先が、絶望。
これが1人だったら、ただ、純粋にがっかりして終わりでしょう。
ところが2人だったことで、これまでの苦楽が、ある意味「思い出」になり、お互いに芽生えた感情から、複雑な気持ちになったと思うんです。
絶望を前にして、どうにもならないくやしさや、やるせなさが、相手を攻めることでより増幅し、反動で、その先にある「別れ」の悲しさが増してくる。
そう、1人では「別れる」ことができないから、悲しみも限定的になると思うんです。少なくとも自分はそう思います。
お互いに大事な存在になりつつあったからこそ、
あまりにも無慈悲な結末に、最初はとまどいましたが、
何度か読むと不思議と読後感は悪くなくなりました。
むしろ哀愁とも言える、切なさが心地よい。
キャラは萌え絵っぽく人を選びますが、
この世界観やストーリーは忘れられないものになると思います。