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吉本浩二先生の描く漫画は私にとって
気にはなるけれど好みではない作風だった。
なんだか絵が泥臭い感じがして。
その印象はヒット作の「ブラック・ジャック創作秘話」を
読んでもあまり変わらなかった。
確かに面白いのだが、絵の泥臭さというか、
熱くるしさというか、
とても細かく書き込んでいらっしゃるのだが、
それが必ずしもプラスになっている漫画と思えなかった。

だが「さんてつ」を読んで、読みながら泣いてしまった。
なんら過激な演出などしていない。
ひたすら泥臭い絵をひたすら描きこんでいる。
その絵から、文字通りに被災地の泥の底に
色々なものが埋もれている感じが圧倒的に伝わってきた。
写真で見ることで伝わる被災者や被災地の惨状は
間違いなくリアルであり事実なんだろうけれど、
吉本先生の絵からはなにかそれ以上に伝わるものを感じた。

私はもともと吉本先生の作風は好きなんですけど(といいながらこれは読んでいなかった)、おっしゃるとおり、この漫画は過度な演出とかは一切せずに、真摯な取材を元に作者の見たまま聞いたままを描かれているという感じがして、それが余計に現実味のある漫画になっているなと思いました。
津波が押し寄せる場面でただひたすらに「なんで?なんで?」としか口から出てこないのがとくに…。
なにより全1巻でまとまってるので読みやすいし、人にもすすめやすいですね。

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