2011年から続く「東京都写真美術館」(通称:写美)の広報漫画。写美とカレー沢薫先生の代表作「クレムリン」がコラボした形で、広報誌(別冊)として配られているものを一冊にまとめたのがこちらの単行本です。学芸員さんたちの業務や、裏話を面白おかしく紹介しており、「クレムリン」未読の私でも楽しく読むことができました。基本的にカレー沢先生が実際に取材で体験したことが元ネタになっていて、ちょっとふざけすぎな所もありますけど、お堅い「美術館」のイメージや見方をいい意味で変えてくれる作品です。美術館の仕事に興味がある方に特におすすめです。現在連載中の「ひとりでしにたい」も主人公が学芸員の設定なのもこの漫画の経験があったからこそだと思いました。ちなみに広報誌のバックナンバーは公開されてまして、こちらのサイトで読むこともできます。

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美は乱調にあり

大正破天荒ラブストーリー

美は乱調にあり
無用ノスケ子
無用ノスケ子

瀬戸内寂聴さんの小説を漫画化したもの。史実を踏まえた歴史マンガの面白さと、愛憎入り交じったラブストーリーの描き手として、柴門ふみ先生はこれ以上ない適任者であると感じました。しかも「東京ラブストーリー」のキャラクターは「美は乱調にあり」から刺激を受けてのものだそうで、その繋がり方には妙に納得感があります。 本の主な内容としては、大正時代の雑誌「青鞜(せいとう)」で活躍されていた、今でいうフェミニストの先人となる女性達、平塚らいてう、伊藤野枝、神近市子、そして革命家で、プレイボーイの大杉栄を中心とした、それぞれの人間模様が描かれています。 主人公・伊藤野枝は、若くして結婚して子どもを出産しますが、不倫して家を出てしまう所など、瀬戸内寂聴さんの人生とも似てます。そして、不倫を超越した恋愛を「フリーラブ」と称し、互いに自立した男女関係こそが古い価値観を壊し、革命に繋がるのだ!と熱弁。当然、こうした思想・価値観は政府からの反発を受け、世間からはスキャンダラスな扱いを受けるわけですが…。 後半になるほど歴史的には面白くなるはずが、昼ドラみたいになってしまったのが少し残念。ページが足りなかったのか事実の羅列だけで、最後に甘粕さんが出てきても誰?状態になる人続出だと思います。私も村上もとか先生の「龍―RON―」で描かれた時代の知識しか無いので、この時代の事はもう少し勉強せねば。

空っぽのやつでいっぱい

初期の作品を読んでみました

空っぽのやつでいっぱい
無用ノスケ子
無用ノスケ子

名前は耳にしたことはあるけど、実際に手に取る機会がなかった作家「アボガド6」さん。(読み方はアボガドロクさんだという事を最近知りました)表紙がオシャレで雰囲気も良いし、なんとなく面白そうな短編を描かれてそうなイメージがありますが、いわゆる「漫画好き」と言われる人達からの評判をあまり聞かないのが不思議です。漫画家というよりイラストレーターの印象が強いからでしょうか。本屋でも見かけたことがなく、ここマンバでもクチコミが0件の状態でした。とりあえず1冊だけ読んでみようと、初期作品と思われる『空っぽのやつでいっぱい』(KADOKAWA、2017年)(※タイトルが阿部共実作品っぽいのが何か気になる)を買ってみました。 絵はシンプルな線で上手いイメージが強かったのですが、初期の頃は、絵が荒くて意外でした。ストーリーは中盤まで面白い話とそうでない話の差があり、若干辛くなりましたが、ラストに向けて各話の繋がりが見えてきて、最後まで読むと群像劇としてよく出来ています。一応の満足感は得られましたが、それでも短編モノとしてはややパンチが弱い印象を受けてしまいした。初期作品だけで判断するのも良くないので、もう少し最近の作品も読んでみようと思います。

本場ぢょしこうマニュアル

80年代女子校の日常

本場ぢょしこうマニュアル
無用ノスケ子
無用ノスケ子

「その女、ジルバ」で手塚治虫文化賞を受賞した有間しのぶ先生のデビュー作。デビュー雑誌はヤングマガジンだったんですね。しかも、2巻で「作者は女子高校を卒業して大学生になりましたが」とありますので、もしかしてデビュー当時は現役女子高校生だったのでしょうか!?驚きです。1982年から8年間に及ぶ長期連載だったそうですが、青年誌で女子校日常マンガなんて、当時のヤンマガ読者さんに受け入れられていたのか気になります。絵について少し触れますけど、大変失礼ながら絵はほとんどノートに描いたような絵でした…。(漫画原稿用紙でもない?)トーンも使われてないようで、落書きにしか見えないコマもありました(←ホント失礼!)でも、絵がどうこうより、漫画に描かれている人達が面白いんです。淡々と学校や周りの出来事を描いてるように見えて、実に多種多様な生徒たちが漫画に登場します。よくある思春期の一コマであっても、一人ひとりの内面に踏み込んで描かれています。だからギャグ漫画なのにどこか嘘っぽくなくて、その人の本音を感じるのです。このような人間への観察力・洞察力こそが、有間しのぶ先生の凄いところなのだなあと思いました。

ニァイズ 東京都写真美術館ニュース別冊~『クレムリン』出張版

にぁいずとうきょうとしゃしんびじゅつかんにゅーすべっさつくれむりんしゅっちょうばん
ジャンル:社会
最新刊:
2016/06/10
にぁいずとうきょうとしゃしんびじゅつかんにゅーすべっさつくれむりんしゅっちょうばん
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悪いが俺は異世界転生させてもらう(合本版)

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【単話版1~16話までを収録。】世はまさに、<大・異世界転生時代>! 異世界転生・転移する準備、できてますか? 実際問題、突然自分の身に降りかかったら……無双、できるのか~~~? 独自の視点で流行りの異世界転生ものを分析する、新感覚☆異世界転生空想レポ、待望の単行本化!

カレー沢薫、漢を語る【分冊版】

カレー沢薫、漢を語る【分冊版】

【カレー沢薫】無職の漫画家。趣味はソシャゲの課金とエゴサーチ。人妻。【劇画狼】漫画が好きな会社員。マイナー漫画・エロ劇画紹介ブログ『なめくじ長屋』はログイン方法不明のため休止中。分冊版第1弾。※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。

小銭でいいから拾いたい~ひきこもり副業入門~(合本版)

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【単話版1~25話までを収録。各話オリジナルコメント付き】将来が不安だ…! 何が起こるかわからないこの乱世を生き抜くために、元・兼業作家のカレー沢薫が立ち上がる――! 下がる給料、上がる税金、人生100年時代……少しでも不安を減らしたい私たちが今やるべきことは「副業」!? NO出勤、NOコミュニケーション、NOキャリアアップで令和の内職にずぼらに挑む、高みを目指さないリアル小銭稼ぎエッセイ、待望の単行本化!

小銭でいいから拾いたい~ひきこもり副業入門~【タテヨミ】

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将来が不安だ…! 何が起こるかわからないこの乱世を生き抜くために、元・兼業作家のカレー沢薫が立ち上がるーー!下がる給料、上がる税金、人生100年時代……少しでも不安を減らしたい私たちが今やるべきことは「副業」!?NO出勤、NOコミュニケーション、NOキャリアアップで令和の内職にずぼらに挑む、高みを目指さないリアル小銭稼ぎエッセイ!

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