名前は耳にしたことはあるけど、実際に手に取る機会がなかった作家「アボガド6」さん。(読み方はアボガドロクさんだという事を最近知りました)表紙がオシャレで雰囲気も良いし、なんとなく面白そうな短編を描かれてそうなイメージがありますが、いわゆる「漫画好き」と言われる人達からの評判をあまり聞かないのが不思議です。漫画家というよりイラストレーターの印象が強いからでしょうか。本屋でも見かけたことがなく、ここマンバでもクチコミが0件の状態でした。とりあえず1冊だけ読んでみようと、初期作品と思われる『空っぽのやつでいっぱい』(KADOKAWA、2017年)(※タイトルが阿部共実作品っぽいのが何か気になる)を買ってみました。

絵はシンプルな線で上手いイメージが強かったのですが、初期の頃は、絵が荒くて意外でした。ストーリーは中盤まで面白い話とそうでない話の差があり、若干辛くなりましたが、ラストに向けて各話の繋がりが見えてきて、最後まで読むと群像劇としてよく出来ています。一応の満足感は得られましたが、それでも短編モノとしてはややパンチが弱い印象を受けてしまいした。初期作品だけで判断するのも良くないので、もう少し最近の作品も読んでみようと思います。

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美は乱調にあり

大正破天荒ラブストーリー

美は乱調にあり
無用ノスケ子
無用ノスケ子

瀬戸内寂聴さんの小説を漫画化したもの。史実を踏まえた歴史マンガの面白さと、愛憎入り交じったラブストーリーの描き手として、柴門ふみ先生はこれ以上ない適任者であると感じました。しかも「東京ラブストーリー」のキャラクターは「美は乱調にあり」から刺激を受けてのものだそうで、その繋がり方には妙に納得感があります。 本の主な内容としては、大正時代の雑誌「青鞜(せいとう)」で活躍されていた、今でいうフェミニストの先人となる女性達、平塚らいてう、伊藤野枝、神近市子、そして革命家で、プレイボーイの大杉栄を中心とした、それぞれの人間模様が描かれています。 主人公・伊藤野枝は、若くして結婚して子どもを出産しますが、不倫して家を出てしまう所など、瀬戸内寂聴さんの人生とも似てます。そして、不倫を超越した恋愛を「フリーラブ」と称し、互いに自立した男女関係こそが古い価値観を壊し、革命に繋がるのだ!と熱弁。当然、こうした思想・価値観は政府からの反発を受け、世間からはスキャンダラスな扱いを受けるわけですが…。 後半になるほど歴史的には面白くなるはずが、昼ドラみたいになってしまったのが少し残念。ページが足りなかったのか事実の羅列だけで、最後に甘粕さんが出てきても誰?状態になる人続出だと思います。私も村上もとか先生の「龍―RON―」で描かれた時代の知識しか無いので、この時代の事はもう少し勉強せねば。

本場ぢょしこうマニュアル

80年代女子校の日常

本場ぢょしこうマニュアル
無用ノスケ子
無用ノスケ子

「その女、ジルバ」で手塚治虫文化賞を受賞した有間しのぶ先生のデビュー作。デビュー雑誌はヤングマガジンだったんですね。しかも、2巻で「作者は女子高校を卒業して大学生になりましたが」とありますので、もしかしてデビュー当時は現役女子高校生だったのでしょうか!?驚きです。1982年から8年間に及ぶ長期連載だったそうですが、青年誌で女子校日常マンガなんて、当時のヤンマガ読者さんに受け入れられていたのか気になります。絵について少し触れますけど、大変失礼ながら絵はほとんどノートに描いたような絵でした…。(漫画原稿用紙でもない?)トーンも使われてないようで、落書きにしか見えないコマもありました(←ホント失礼!)でも、絵がどうこうより、漫画に描かれている人達が面白いんです。淡々と学校や周りの出来事を描いてるように見えて、実に多種多様な生徒たちが漫画に登場します。よくある思春期の一コマであっても、一人ひとりの内面に踏み込んで描かれています。だからギャグ漫画なのにどこか嘘っぽくなくて、その人の本音を感じるのです。このような人間への観察力・洞察力こそが、有間しのぶ先生の凄いところなのだなあと思いました。

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Random Trip 彷徨

Random Trip 彷徨

アボガド6がネットで公開してきた刺激的なイラストを思い出として巡りながら、居場所ない二人組が、世界の果てを目指して走る、当て所ないバイク旅。ファン必携のイラスト集がここに登場。【電子特典:未公開ラフ素材付き】

言葉

言葉

Twitterフォロワー190万人オーバー(2022年8月時点)の大人気クリエイター・アボガド6が描く、令和の若者たちの光と闇ーー。【電子特典:カバーイラストラフ&マンガのネーム付き】

上映

上映

心をえぐる鮮烈な表現に魅了され、増えたTwitterフォロワーは145万を超えた。人間、社会、生活、日常、空想……。世界にあふれる情報や想像力を巧みに取り込み、独特の観点から絵として迸らせてきたクリエイター・アボガド6のイラスト集。舞台は、死者と言う名のムービースターたちのフィルムを扱う走馬燈映画館。天使と死神が観客として詰めかけ、今か今かと上映を待ちわびて……。【電子特典:ラフイラスト付き】

幸せをあなたに

幸せをあなたに

アボガド6がこれまでウェブで発表してきた短編のうち、表題作を含む厳選された15作品を収録。生と死を巡るアボガド6の物語センスがここに結晶化する。【電子特典:カバーイラストのフルバージョン付き】

剥製

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Twitterフォロワー100万人オーバー!世界中が注目する映像クリエイター・アボガド6の最新オールカラー作品集が、前著から32ページも増量して登場!本邦初となるイラストメイキングページや、描きおろしマンガ「剥製」も収録。進化し続けるアボガド6の世界観を見逃すな!電子書籍だけの特典付!既刊タイトル『やさしさいっぱいの土の上で』『果実』『空っぽのやつでいっぱい』の試し読みを収録しています。

やさしさいっぱいの土の上で

やさしさいっぱいの土の上で

近未来。ロボットに育てられた「ななちゃん」は、同じ境遇の天才科学者「八津くん」とともに研究生活を送っていた。ある日、死の病に侵されて八津くんは倒れる。ななちゃんは彼を救う治療法を開発するための時間を稼ぐために、コールドスリープを提案する。八津くんは自らが生み出したクローンたちとななちゃんを残して眠りにつく。目覚めると数十年後、八津くんの眼の前には年老いたななちゃんとさらに増えたクローンたちがいた。八津くんは手術によって救われたが、年老いたななちゃんの寿命は今にも尽きようとしていた。八津くんが眠っていた間に勃発した戦争で世界は荒廃し、兵器となったロボットやAIを人類は憎悪するようになっていた。ななちゃんは、残された命を地球を浄化するロボットの開発に捧げていた。そのロボットを生み出すことで、人間とAIを和解させようという夢を持っていたのだ。病床に臥せったななちゃんの側で、八津くんとクローンたちはその遺志を継ぐことを誓う……。

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