惣領冬実先生の作品を読んだことがなかったので読んでみました。最初の方は絵は上手いけどよくある少女漫画だな…と思いながら冷静に読んでいたのですが、途中からスイッチが入ったように夢中になって一気に読んでしまいました。
自分が夢中になったのは主人公のキラには義父からレイプされた過去があると分かったところからです。それまでは双子の弟が自殺してしまった零のトラウマがクローズアップされていましたが、キラにも大きな心の傷があったことを知って、ようやく全くタイプの違う二人が惹かれ合うことに納得がいったんです。しかも義父ともう一度同居しなきゃいけなくなるハラハラの展開が続いて見逃せなくなっていきました。
物語としては恋愛はもちろん、人間なら誰しも持っている残虐性について深く掘り下げられていくので、惣領先生が青年誌で活躍されるようになったのにも納得です。
たったひとりしかいないだれかが、どこかにいる――。周囲から孤立してきた少女キラと、刹那的に生きる樫野零(かしのれい)。戦いの神(MARS)がひきよせた魂たちは出会い、孤独の闇を朱(あか)く染め、いま、走り始める……!
たったひとりしかいないだれかが、どこかにいる――。周囲から孤立してきた少女キラと、刹那的に生きる樫野零(かしのれい)。戦いの神(MARS)がひきよせた魂たちは出会い、孤独の闇を朱(あか)く染め、いま、走り始める……!