本日も休診』が素晴らしかったのでこちらも読んでみました。
那須高原で小さな診療所を営む見川センセが主人公…といっても、今度は息子の見川鯛岳センセが主人公です。お父さんよりは腕に自信がありそうですが、しょっちゅう休診にしちゃうところやお人好しなところはお父さん譲りのようです。
那須の大自然のもと、図太く生と性を謳歌する人々の描写には相変わらず胸を打たれます。
しかし、変わらないものだけではないのが『本日は休診』の魅力です。
これは見川鯛山センセ亡き後の物語なのです。
今作の主人公である鯛岳センセも、お父さんと同じように愛され頼りにされています。それでも、父親のように信頼されているわけではないと思案するのです。それもそのはず、お父さんを訪ねて来る人や昔から知る人に囲まれて診療所を営んでいるのですから。
しかし、鯛岳センセはお父さんの名残りに甘えず鯛岳センセとして人々と向き合っています。
命と命がバトンを繋いで新たな生を紡いでいくのだ、というのが『本日は休診』のテーマなのかなと感じました。馬の出産に立ち会うことになったのも、鯛岳センセだったからだと思います。
変わらないようでいて、変わりゆく新しい時代を感じさせるような作品でした。

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