人狼って、狼男のことか!
表紙の女の子が主人公だと思っていました。 違いました。 主人公は、後ろの狼です。 転生して人間としての感覚を持つ魔族の主人公が、パワーゴリ押しが通常営業の魔族の中で、人はこうすると喜ぶとか、こうすると嫌がるとか、そういう点を細やかに気を止めながら、あれやこれや行い、成功を重ねていきます。 俺スゲー展開の亜種です。 でも、人間同士でも難しいことなので、実際スゲーと思います。 作画は、白と黒とトーン少々というパキッとした絵柄で、かっこよいです。 キャラクターの雰囲気は柔らかいのですが、魔王とか魔族とか戦闘とか、物語の雰囲気に、この色がパキッとした感じがとても合っています。 不思議だなと思ったのが、なろう小説によくある鈍感&人たらし主人公によるハーレム展開になのに、キャラクターの作画がほんわかとしているためか、あまりそう見えません。 かわいいかんじの女の子が得意な方なのかなと思いきや、狼やら魔族もとても怖くかっこよく描かれており、とても読みやすいです。
所謂「なろう系」という物を全く読まないまま生きてきたのですが、作画の瑚澄先生の前作(ディアエミリー)を読み、良かったので試しに買ってみました。
異世界転生物ですが、主人公は前世の人間のとしての知識(や考え方)と、現在の魔族としての立場を両立させ、魔王の副官として手腕を振るい、時に中間管理職としての悩みも見せます。
瑚澄先生の柔らかなタッチが、ファンタジーの世界を魅力的に描いている良作です。