めちゃめちゃ面白いやんけ
読んだ後に関西弁になってしまうぐらいには面白いし読みやすいです! JK転生で空手の王者に登り詰めるのかと思ったら廃れた道場を立て直しにかかるところが面白いですね。 そして、キュウべえみたいな猫が何かを企んでいるファンタジー要素もいい ギャグもストーリーも専門知識も全部バランスよくて一巻の時点で感動してます
K-1の創始者・石井館長が女子高生に転生してしまった件――!!!!!脱税の罪で実刑判決を受けたK-1の創始者・石井館長。1年間の刑期を終え静岡刑務所を出所した石井館長だったが、その直後、トラックにはねられ即死。そしてその魂はなんと女子高生・一ノ瀬ケイに乗り移ってしまう!K-1創世記から20年――格闘界のフィクサー・石井和義が女子高生に憑依(!?)し、もう一度「空手」に向き合う青春浪漫ストーリー。★単行本カバー下イラスト収録★
転生話ってのは漫画ジャンルとして定着したと思う。
自分は好きではないので殆ど読まないでいたが。
また、K-1の創始者・石井館長は間違いなく
一時は格闘技界で勝ち組だったと思う。
自分は好きじゃなかったし脱税で捕まったが。
そんな嫌いな要素のそれぞれが合体した話「どるから」。
とりあえず二巻まで読んだが、メチャクチャ面白い(笑)
かつてK-1が人気絶頂だったころ
「K-1はプロレスのスタイルを取り入れて
格闘技を興行的に成功させた」
と、よく評された。
細かく言えば、プロレスの興業システムを取り入れ、
プロレスファンと格闘技マニアと一般人それぞれを取り込み、
格闘技をイベントとして成立させた、と思っている。
格闘技の達人でありながらイベント感覚・成功術も
身につけていた人、それが石井館長だと思う。
その石井館長が、あらたに取り組んだ
(取り込んだ、というほうが正しいか)のが
「転生話」と「梶原一騎スタイル」。
この二つをミックスしたのが「どるから」だと思う。
転生話については詳しくないのでイメージで感じるだけだが、
「ああ梶原一騎先生のスタイルをかなり踏襲し、
そこにさらに新味を加えているな」
とは強く感じた。
かつて梶原先生は、それまでにないマンガストーリーと
セミ・フィクションという、事実とロマンを混合した
独特の世界を作り上げてマンガファンを熱狂させた。
「どるから」で石井館長は、K-1創始者・世界の石井という
実績をもとに、格闘技論としても格闘技系経営術としても
ファンに有無を言わせない説得力を見せつけている。
石井館長が凄いのは、梶原先生的な
「実体験を話しに盛り込む」スタイルにプラスして、
自分をオッサンであると貶めて漫画化したり、
時に失敗談なども披露していること。
梶原先生が、結局は自分も美化して、
道化になりきれないレベルで自分や自分の体験談を
作中で披露していたのと比べれば、その点で
石井館長は梶原一騎先生より一歩踏み込んでいる。
また、お金が絡む話に関しても、梶原先生が
実利よりも男の矜持、というラインを維持した
(少なくとも主人公は)のと比べると
石井館長は「金を稼げなければ何も出来ない」
というのが基本になっており、ここでもリアリティでは
梶原先生より深く突き込んでいる。
また古武術から総合格闘技的な闘いの解説など、
これもかなり実践的視点から判り易く漫画化していて、
リアリティが感じられると思う。
もっとも転生話という時点でSF的であり、
リアリティの面では後退せざるを得ない。
「どるから」が今のところ、それほど世間で話題に
なっていない(少なくとも私は聞いていない)のは
その辺が一番の理由かな、とも思うが、
あの石井館長が転生して女子高生に、というだけで
インパクトは凄いのだから、もっと話題になって、
ヒットしても良いと思うんですけれどね。
ギャグとかも面白いし。
転生の経緯については今のところかなり謎のままだから、
後々で、この点に説得力や面白さを披露できたなら
このマンガは凄い名作になるのではないか?
そう思って期待しています。