public
star_border
star_border
star_border
star_border
star_border
蔦屋重三郎という人物は、
知っている人は知っている、というか、
もしかしたら謎の天才浮世絵師・写楽を
世に送り出した版元の経営者として
有名な人物かもしれません。
しかしただそれだけの人物ではなく、
今よりも娯楽が限られていた、というか
生活するだけで色々と大変で、という時代に
各種娯楽をプロデュースして世に送り出し、
それを生業として繁盛させており、なかなかの
ヤリ手ビジネスマンだったと言えるでしょう。
そういうヤリ手、切れ者というと、マンガ的には
大人物でセンスがあってそれでいて金銭感覚がシビア、
という少しクールな完璧人間に描かれがちです。
しかし、この漫画の蔦屋重三郎は「蔦屋ちゃん」とでも
呼びたくなるようなカワイイキャラに描かれています。
他の登場人物(とくに歌麿)に振り回されますし。
作者の桐丸ゆい先生が江戸文化を愛する方らしく、
史実にそった範囲の中で、蔦屋、歌麿、写楽などの
喜怒哀楽に満ちた江戸生活が愛らしく描かれています。
吉原が舞台の話もあります。
なんせ吉原ですから光と影というか、陰鬱な部分も
実際には存在したでしょうけれど、
このマンガは良い意味で江戸文化の愛すべき部分を
カワイイ絵で描いていて、明るく楽しめるマンガです。
ゴロゴロしてばかりで働かない歌麿や
吉原で女郎として働く女性たちなどを描きながら。
江戸文化の良い面を味わえるマンガだと思います。