作品の古さで忌避するのはもったいない!
巨大企業へ、末端窓際コネ入社したマリリン。 出世したい理由が会社のどこかにいるはずの王子様探しという乙女な理由を持っています。 古めの絵と価値観。 数ページで苦手かもと思ったものの、読み進めていくと気にならなくなり、おもしろさにハマってザクザクと読み進めてしまいました。 タイトルは「悪女(ワル)」ですが、嫌がらせをしてくる人くらいしか悪い人はおらず、四半世紀以上前の働く女性社会のこと?と悩んだのですが、マンバの口コミをみて、なるほどなと思いました。 たしかに、愛嬌と強かさと宴会芸を持つ、人たらしの主人公マリリンは悪女といえば悪女です。 あっけらかんとしたマリリンのおかげで、古くさい価値観を水に流して読むことができます。 よくここまでザザーッと流せるなと感心してしまいます。 きっと連載中に読んだ働く女性方には、フィクションとはいえ、頼もしい存在だったのかもしれません。
主人公の田中麻里鈴はコネで一流企業に就職したけれど出身大学は三流がおまけにコネには力がない。入社してすれ違った男性社員に一目惚れして、その男性社員の近くにいくには「出世が一番」と助言されてから物語の本編がスタートする。
マンバにあったクチコミを見て気になって読んだが予想以上に面白い。あらすじの時点では合わないかもと思ったが最初のほうで「峯岸さん」で登場して出世するには話あたりから「これ面白くねーか?」と思い「夏目さん」「小野さん」「璃羅のよしえさん」あたりが登場した辺で確実にハマった。
配置転換などでいろいろ部署が変わるが個人的に特に好きなのが「ホワイトローズクラブ編」と「レディスシンクタンク出向編」
「ホワイトローズクラブ編」は始まりから結末までむちゃくちゃよかった。令和の景気の悪さでは絶対ありえなそうな事例だがバブルの頃にだったらあったかもしれない内容とそれに対する会社のやりかたが興味深かった。
「レディスシンクタンク出向編」は「峰岸さん」「高井さん」の間に挟まれてどっちかにつけば楽になるというのに最後の最後まで悩み抜いてあの結論をだしたのはすごい良い内容だった。
「総務部総務課山口六平太」の全体を見て最適化する会社員や「サラリーマン金太郎」のすごい会社員とも違うし、同じ女性が主人公の「この女に賭けろ」のような正統派キャリアでもない今まで俺がしらない路線の会社員マンガだった。
好きな登場人物は「峯岸さん」「小野さん」「高田さん」かな