自虐と自慢、起承転結のバランスが良い
さすが「まんがタイム」基本は4コマですが、起承転結が巧み。 しぞーかご当地マンガであるかのように始まったと思ったら盛大にアレがないコレがないここが酷いここがこんだけ遅れてる、と主人公のOL目線での静岡へのダメ出し。。。 と思いきや、東京から左遷された29歳江戸っ子サラリーマン目線での静岡おもしろ話や、ツッコまずにいられない良い塩梅の展開が本当によく出来ているなーと感心させられます。 別にこれ読んで静岡いってみたい!ってならないけど、静岡面白いなとは思うことでしょう。 川で3つに分かれてる(西部・中部・東部)とか、それぞれ取れる海産物が異なるとか全然知らない豆知識がイイ。
「負け犬の遠吠え」という言葉からは
あまりいい印象を受けない。
その点でこの「ローカル女子の遠吠え」という題名は
上手いネーミングだな、と思った。
「田舎女子の遠吠え」とか「静岡女子の遠吠え」では
田舎や静岡の人から怒られれそうだし。
とあるイチ・ローカル出身女子の話ですよ、と
チョットだけネタ対象をぼかしたわけだが、
どうせ一読すれば「静岡かよ!」と
ディスり対象は丸判りで、それで問題はないし。
(いや、静岡をディスって良いと言う意味ではないが)
逆に静岡ディスりをもっと前面に出すのであれば
「シゾーカ女子の遠吠え」でも良かったかなとも思うが(笑)
私は「ローカル女子の遠吠え」を読んで、
瀬戸口先生って都会と地方、東京と静岡の
比較感覚とかギャグセンスも含めてリアルだと思い、
眼の付け所とかバランスとかいいなあ、と思いました。
はい、私も静岡県出身です。
子供のころはゴールデン・ウィークは茶摘ばかりで
ほとんど遊びになど行けませんでした。
GWに遊びに行けない不幸?とかその他とかで、
私も子供のころは、やはり田舎はメンドクサイ、
都会はいいだろうな、とは想ったりしたわけです。
しかし現実には都会は便利で娯楽も多いけれど
お金と時間の両方に余裕があるならば楽しめる、
という面が大きい。
その点、田舎は収入や娯楽は少なくても、
適度に生活を成り立たせて暮らす余裕は確保しやすい。
なので静岡の特徴的なところを
「それが普通」と思えば苦にはならんし、
「そこが良い」と思えば楽しくもなるのですよね。
その辺について主人公の有野りん子さんは
東京生活で疲れて静岡に戻りながらも
東京全否定でも静岡全肯定でも、その真逆でもないスタンスで、
静岡の独特なところを、りん子さんの独特な思考回路で
実感して見つめなおして評価します。やや自虐的に。
その流れとか結論とかが面白すぎる(笑)
漫画ですし、りん子さんがそういうキャラだから
面白いのだからこの漫画はそれでいいしそれがいい。
リアルでは静岡に限らずそれぞれの地方のローカル民は
東京とか都会はいいなあと言いつつ、
地元の独自性を自虐ネタにして笑って生活している
人が多いんじゃないかと思いますけれどね。