作品が描く「愛」の解釈
※ネタバレを含むクチコミです。
自分の中で特に印象的なシーンの1つが,14巻にある.主人公が,王の兵士にただひたすら殴られ続けるという話だ.
他のマンガであれば,こんな展開はまずあり得ない.魅力的なキャラクターであるはずの主人公が何の抵抗もせずに殴られまくるなんて,普通に考えればメチャクチャカッコ悪いに決まっているからだ.
ところがこのヴィンランド・サガでは,そんな主人公の姿がメチャクチャにカッコ良く描かれてしまっている.そのカッコ良さは,最初は笑いながら主人公をバカにしていた兵士達が,最後には真剣な表情になり彼に敬意を払ってしまうほどだ.
常識的に考えれば絶対にカッコ悪い展開を,メチャクチャカッコ良く描いてしまっていて,さらにサブタイトルは「無敵」.
このシーン一つをとっても,とてつもなく深い作品だと感じている
同14巻には,サブキャラクターが「だまって嗤(わら)われる勇気がなかった…!」と,過去の自分の行動を泣きながら悔やむシーンが出てくる.
周りにただバカにされる姿なんて,普通に考えればカッコ悪いに決まっている.でもそれを軸の一つとして,作者は大事な何かを描こうとしているのだ
いったい何を描こうとしているのか?現在23巻まで刊行されているけれど,自分にはそれが深すぎて,まだ断片的にしかわからない
「だまって嗤われる勇気…?何だよそれ?」読むたびに考えさせられてしまう.
マンガ作品であると同時に文学作品でもある,すさまじい作品だと感じている.
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。そのなかにあってなお、最強と謳われた伝説の戦士が息子をひとり授かった。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!!『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(ヴァイキング)叙事詩、堂々登場!
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