誰にでも安心して勧められる名作
伏線も綺麗にまとめてるし少年漫画として100点満点のラストだと思う 一番好きなシーンは「まるで神への祈りじゃないか」のとこ
自分が何度も読み返している話が、23巻にある。
登場人物の一人であるマスタング大佐が、親友の仇である人造人間のエンヴィーと対峙して闘うシーンだ。大佐が激情に任せて相手を徹底的にいたぶろうとする中、周りがそれを全力で止めていく。いわゆる「復讐」に関わる描写だ。
暴走する大佐は周りからの言葉で手を止め、その様子を見たエンヴィーは「本能のままに やりたい様にやっちゃえよ!」と、全員を罵りながら煽る。
しかし周りはただ沈黙し、エンヴィーは主人公のエドワードに「人間に嫉妬しているんだ」と言われ、涙を流しながら自死を選ぶという結末になっている。
憎しみの対象をボコボコにしてスカッとさせるような流れではなく、人間側が支えあって堪えるという流れが、1つの解釈となっている。
この話は、それまで人間を徹底的にあざ笑ってきたエンヴィーが、「実は人間に嫉妬していた(同時に人間を認めていた)」ことがわかる話でもある。
「動物とも人造人間とも違う『人間』とは、いったいどういう存在なのか?他とは何が違うのか?」
この作品を読む度に、自分は作者からのそんなメッセージを強く感じ、深く考えさせられるのだ。
兄・エドワード・エルリック、弟・アルフォンス。2人の若き天才錬金術師は、幼いころ、病気で失った母を甦らせるため禁断の人体錬成を試みる。しかしその代償はあまりにも高すぎた…。錬成は失敗、エドワードはみずからの左足と、ただ一人の肉親・アルフォンスを失ってしまう。かけがえのない弟をこの世に呼び戻すため、エドワードは自身の右腕を代価とすることで、弟の魂を錬成し、鎧に定着させることに成功。そして兄弟は、すべてを取り戻すための長い旅に出る…。
兄・エドワード・エルリック、弟・アルフォンス。2人の若き天才錬金術師は、幼いころ、病気で失った母を甦らせるため禁断の人体錬成を試みる。しかしその代償はあまりにも高すぎた…。錬成は失敗、エドワードはみずからの左足と、ただ一人の肉親・アルフォンスを失ってしまう。かけがえのない弟をこの世に呼び戻すため、エドワードは自身の右腕を代価とすることで、弟の魂を錬成し、鎧に定着させることに成功。そして兄弟は、すべてを取り戻すための長い旅に出る…。