背徳のサスペンス?!
なかなか無い切口の設定では? しかも父親目線! あらすじではサスペンスとあったので尚更気になります。 1話でふっと現れた娘の友達、そして引きこもりの娘を持つ父親。 どっ…どう展開するの? すでに色々妄想してしまいます。
家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。
サラリーマンが娘の友達のJKと恋愛する話。
設定だけだと未成年との淫行問題で、やいのやいの言われそうだけど、この話は主人公のリーマンがいたって常識人だ。
それが悪いこととわかっているから、決して一線を越えようとしない。
まぁ、どっちがリアルなのかわからないけど(普通は、おっさんが女子高生に言い寄られたら、ノールックでいってしまうんでないの?)
主人公晃介はサラリーマンとしては優秀だが、仕事一筋で家庭を省みなかった結果、娘はひきこもりに。
その優秀な面も個人としての能力が優れているだけで、部下のコントロールがうまくない。いつも損な役回りを引き受けているという、典型的ないい人だ。
良き父として、良き上司として、理想の姿を無理してつくろっている。
仕事も家庭もいっぱいいっぱいな中、出会ったのが、娘の友達古都。
彼女といても、何一つ理想を押しつけてこない、自分が自分らしくいられることに安らぎを得て…という流れ。
全俺が泣いたのは、JKとの、この背徳な恋愛に純愛の姿を見つけたところではない。
3巻最後、添付画像にある晃介の慟哭だ。
誰かの期待に答え続けて、自分をすり減らして、すり減らして、すり減らして・・・
絞り出した言葉
「父親でも、課長でもない俺は、いちゃいけないのか?」
もうこれね、泣きますよ。全俺が。
期待に応えられなきゃ存在しちゃダメなのかと。
エゴしかない社会で、要領悪く真面目でいい人が損をする社会。
そんな中で、安らぎを求めてはいけないのですかね?
たとえそれが悪いことでも、ダメなんでしょうか?
そうでなければ、誰が救ってくれるんでしょうか?
娘の友達とのイケナイ関係ばかりに焦点いきますが、本当は晃介のように疲れ切ったサラリーマンこそ共感できる作品だと思います。
今後、二人の関係が社内に暴露されてしまうような展開がおきそうで、晃介からますます目がはなせません。