松本から地下鉄へ…
※ネタバレを含むクチコミです。
1994年、日本の小都市松本。組織の実行部隊を指揮する信者は、致死性の神経性ガス兵器の開発を極秘に進めていた。宗教団体の教祖は30以上の会社を束ねるコンソーシアム代表をも兼ねる。信者たちにとって教祖はヒンドゥーの神・シヴァの生まれ変わりであり、宗教に名を借りた組織の真の目的は、「ハルマゲドン」を引き起こして日本政府を転覆させること。後に「地下鉄サリン事件」として世に知れわたることになる恐るべき計画。日本犯罪史上最悪の凶悪事件を、フランス人作家がバンド・デシネ作品として描き出す。事実に着想を得、かつて実在した宗教団体のテロ事件をめぐる真実の物語。その衝撃の問題作が遂にオールカラー邦訳化! 【巻末特別対談LF・ボレ×切通理作】 巨大な悲劇、サリン事件とは何だったのか―― 事件から20数年。今なお混沌として、さらなる悲劇を繰り返し続ける現代社会への黙示録と化した事件の虚実を、気鋭の評論家・切通理作と本作原作者・LFボレが徹底解明するスペシャル対談を特別収録!
地下鉄サリン事件から25年…
いまだからこそ読みたい1冊です!
この作品の興味深いところは、地下鉄サリン事件の前日譚であるところ。
遡ること1年前に起こった松本サリン事件を中心に、事件に巻き込まれた人々、テロにかかわった信者、犯人と疑われた人、事件を追う刑事たち…それぞれの視点で描かれる。
登場人物はあくまで架空ではあるものの、事件が周到に用意されていたこと、オウム真理教の内部、事件によって人生を狂わされた被害者たちの生活などがとてもリアルで胸に迫ります!