女子プロ野球に、太陽は昇るか。

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【世界と戦うアスリート漫画①〜スポーツコラム風に】
これは実際の昔話。

1934(昭和9)年、来日した米国選抜チーム相手に、あのベーブ・ルースを相手に、一人気を吐いた投手がいた。その年、彼を中心に日本初の男子プロ野球チームが誕生する。

彼の名は、沢村栄治。背番号14。

学生野球が盛んな日本に、ようやく生まれたプロ野球の中心で、自ら輝き、日本人を熱中させた「太陽」。彼無しに、日本の男子プロ野球が陽の光を浴びる事は無かった。

ここからは架空の話。

例えば太平洋戦争の敗戦後に、女子プロ野球リーグの興行を行うとしたら……と想像した時に、もし男子プロの沢村のような「太陽」がいたら、どの様になっただろう?

カフェの女給の即席チームの中に、ずば抜けた身体能力と負けん気を持った女がいた。彼女は化粧品会社の社長・蘭崎五十鈴のチームで、日本を代表する豪腕……まるで沢村のような……に成長する。

彼女の名は、加納トメ。背番号14。

彼女の豪球とマウンド度胸は、周囲に夢を見させる。しかし、彼女を待っていたのは、プロリーグではなかった。

蘭崎五十鈴と弟の克巳は、プロリーグ構想を骨抜きにし、米国資本との「賭け試合」を仕掛ける。米国との「経済戦争」は日本中を熱狂させ、命のやり取りに発展し、挙句……。

プロリーグとは縁遠い場所で、加納トメは全身全霊で戦い続ける。勝負の場を作るために自ら前線に立ち、「女が野球をやる権利」を賭けた大博打を打つ。そして圧倒的な才能にも関わらず、常に格上に挑み、負けて当然のギリギリの闘いをする。その姿は時に清々しく、時にひどく見苦しい。
しかしその姿は周囲を惹きつけ、日本を明るく照らす。彼女は戦後の「太陽」として、我々の網膜にも忘れ難い影を焼き付ける。

……という訳で、女子プロ野球の興行には参考になりづらい本作だが、例えば『1518! イチゴーイチハチ!1518! イチゴーイチハチ!』の環会長や、『球詠』の選手達が将来飛び込む女子プロ野球リーグの創設の物語に、加納トメの様な輝く太陽があったら……と想像するのはとても楽しい。

私達は、なんと言っても圧倒的な才能、物凄いプレイを観たくて、球場に足を運ぶのだから。

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