タイトルからヒーローに憧れる少年の話かと思いきや。
冒頭に登場する中年男性。 『ケンシロウによろしく』のように、ヒーローに憧れる男の話かと思いきや…! 仮面ライダーに登場したキャラクターへの憧憬を失わない大人たちが次々登場。 そう、大人たち。 男だけじゃない。 今ではコント番組でも自主規制しそうな、健康的なボディを強調したコスチュームで登場した女性。 「仮面ライダータック!!!」。 決めセリフもポーズもばっちり。 先日、テレビの再放送で知った、仮面ライダー タックルの出現に、「これ、◯◯ゼミでやったところだ!」なかんじで興奮した。 昭和の仮面ライダーを知らなくても楽しいし、知っていても楽しい。 ヒーローショーで泣いていた幼い頃の自分を思い返すと、現実には起きてほしくない展開になるのだけど、思わず2巻に手を伸ばす。 漫画だから、大丈夫。
福満しげゆき、山本さほあたりを好んで読む人におすすめしたい。少しは報われたいなぁ、とかままならないなぁ、とか思いながらも毎日なんとか生きてる人は、この主人公、俺(私)じゃね?って思ったりするかも。
今はもう、異世界に転生しても「ああ、例のね」といった感じで誰も驚かない世の中になっていますね。
主人公の下山口くんもそんなかんじでヌルッと異世界生活を始めます。
彼がなぜ転生したのかは読めばわかりますが、この漫画の面白いところは「日本も異世界も変わんないな」というシーンが非常に多いところ。
元の世界への帰り方を聞いたら誰もわからなくていろんな場所をたらい回しにされたり、上司?の飲みの誘いが毎日憂鬱だったり、団体と相席になりそうになってビクビクしたり、カウンター席どこに座るかの見極めに失敗したり(すぐ帰ると思って隣に座った客が思ったより長居する)…など、どっかで見たような光景が異世界にもゴロゴロしてました。
その中でも「わかるめっちゃある…」と思ったのが映画館の指定席選び。(漫画の中では映画ではないが)
まあまあの混み具合のなか、どこの席を選択するかは最終的な映画の満足度にかなり影響するのでとても大事。しかし、結局運に左右されるのは日本も異世界も同じなんですよね。
正直、主人公が帰れるかどうかはどうでも良くて、異世界に転生したからといって何かが劇的に変わるわけじゃないパターンのやつも面白いということです。
むしろ自分はこっちの方が好き。