女将の焼きおにぎりが食べたい
人が死なない。飯食ってるだけ。酒飲んでるだけ。それでいい。それがよい。 ひと仕事終えたサラリーマンが小粋な居酒屋で穏やかなひとときを過ごすだけのお話。 季節に合わせた料理はもちろん、ふと食べたくなった懐かしいメニューや常連客が持ち寄ったお土産など、美味しそうで気取ってない酒の肴たちがとにかく素晴らしい。 女将さんのホスピタリティがさりげなく神がかっていて、こんな店あったら通いたくなること間違いなし。 気を衒ったものは出てこないけれど、常夜鍋に白ワインとか焼きおにぎりとお茶割りとかちょっと意外で試したくなる組み合わせもあり。 主人公が孤独のグルメのゴローちゃんほど男前じゃないのもまた良いところ(ゴローちゃんももちろん好きだけど)。本当に普通のおじさんが呑んでいるところを覗いているような気持ちになる。 何もない日常を生きているひと達だって、それぞれに苦労が絶えないんだよね。だから1日の終わりに呑むお酒が美味しいんだよね。 仕事の休憩中に読んでたらお酒呑みたくて仕方なくなりました。でも心癒されました。
冒頭の雑学が超好き。ああいうグルメ雑学の詰まった辞典が欲しい。
にしても作中に出てくるような行きつけの小料理屋いいな。後何年すれば見つかるだろうか