山手線駅の数だけ上質な物語が
山手線の駅の数は29駅だそうです。 というわけでこちらには29話入っています。 そして何れもホッコリするエピソードであり、かと言って鉄道(JRが国鉄と呼ばれてた時代の話)が全てというわけではなく脇役的なときもあればただ駅として出てくるだけという話もあり、なんとも上手くできてるいい話が盛り沢山。 この内容で29話も1冊に入ってるとは…漫画本として素晴らしいコスパである。 ちなみに私は「田町の提灯殺し」が好きでした。 序盤からもそうだけど、照美がどんどんいいキャラになっていくのもまた見どころでしょう。
で、おなじみの山手線。読み方は「やまてせん」か「やまのてせん」か、どちらが正しいのか?なんて知識はネットで検索すれば一発で分かるでしょうが、この漫画を読めばより身近なものとして感じられるかと。
山手線の全29駅を舞台に、駅と同じ数の29話のエピソードが入っており、1駅1話、駅にまつわる小さなドラマが、鉄道トリビアを交えて描かれます。
時代背景は昭和30年代でちょうど戦後10年経った頃。
当時の山手線を利用していた人達が、さらに過去を振り返る視点というのが、読んでいて何とも不思議な感覚を与えてくれます。
単にノスタルジックな鉄道漫画というだけでなく、苦い戦争の記憶と向き合うエピソードも少なくないのですが、物語の水先案内人・山野照美の性格が明るいので、読後に悲壮感はそこまでなく。ただ、駅にも戦争の記憶が深く刻まれていたのだ、という事は覚えておきたいです。
ちなみに山野照美のお兄さんが、山手線の運転士でして、二人の屈託のない仲の良さも見所の一つです。山野兄妹は、作品通してホント良い働きしてました。
自分は東京とは遠くはなれたところに住んでいる。
そしてけして鉄オタではない。
そういう立場で思う。
山手線って、ローカルな路線でいて日本で一番有名な
路線なのではないかと。
ローカルな路線でありながら凄く大勢の人を乗せ、
大勢の人の生活に密着している路線なのではないかと。
そう思うからなんなんだと言われたら困るが、
自分の生活に密着したローカル線の駅が、
こうして漫画化されて共感を得るってのは
すごく羨ましい。
東京圏外の方から感想頂けて嬉しいです。
仰る通り、山手線は今も大勢の人の生活に密着していて、
いち早く最新の設備を導入するなどして進化を続けている路線です。ちなみに「高輪ゲートウェイ」という新駅が誕生するのですが、この漫画に出てくる駅のように、愛される存在になれるか心配です…(^ ^;)