今敏の連載デビュー作
漫画家としての今敏ってちばてつや賞を受賞してヤンマガで連載してたんですね。アニメ監督としてのイメージが強いのでなんかピンとこないですが、漫画家としても優秀な人だったのは間違いないです。大友克洋っぽさがありますが、インタビューを読むと第1話は「AKIRA」のアシスタントをしながら描いていたらしいです。女の子は今敏の方が可愛いですね。師弟関係とその後の活躍を抜きにしても「海帰線」は全1巻の作品として面白いと思いました。
多くのすばらしい作品を世に送り出し46歳で唐突にこの世を去ってしまった今敏。そんな彼が本格的にアニメ制作に進出する前、漫画を描いていた時代の作品です。リゾート開発に揺れる海辺の町。その町に住む開発推進派の神主の息子と、神社のご神体である海人の卵を巡る物語です。絵柄は漫画の師である大友克洋に酷似。細部にこだわり、コマを細かく割って大ゴマを極力抑えるタメのある構成は、ムービーカメラを通して見たような立体的雰囲気があります。また彼の作品の多くに見られる日本の風景や風習が丁寧に描写されていて好感。宮崎駿の「風の谷のナウシカ」のように、アニメと並行して漫画を描いても、良い作品が生まれたんじゃないかな、と思います。やっぱり、死ぬには早過ぎですよ…。
S県の海辺、網手町の平津神社には、代々伝わる「海人の卵」があった。言い伝えでは、御先祖が海辺で「卵」を拾い、それを探しに来た半人半魚の海人と「約束」をしたのだという。その約束が交わされて以来、海は静まり豊漁という恩恵にあずかっている…。しかし、23代目の神主・洋造は、町の発展を願い、古い因習を捨て去ろうとする。息子の洋介は…!?「千年女優」の監督としても名高い今敏の傑作が登場!
S県の海辺、網手町の平津神社には、代々伝わる「海人の卵」があった。言い伝えでは、御先祖が海辺で「卵」を拾い、それを探しに来た半人半魚の海人と「約束」をしたのだという。その約束が交わされて以来、海は静まり豊漁という恩恵にあずかっている…。しかし、23代目の神主・洋造は、町の発展を願い、古い因習を捨て去ろうとする。息子の洋介は…!?「千年女優」の監督としても名高い今敏の傑作が登場!