すごい音楽漫画だった!!
1990年の中国ではロックは激しく規制されていたんだけどアンダーグラウンドで真剣にロックをやってる人達がいて、売れ筋の曲ばかり作らされて不貞腐れてた日本人ドラマーの主人公が彼らに出会って感化されるという話。平々凡々としたタイトルと表紙からは想像も付かないくらいのすごい音楽漫画でした!!ヘタしたら殺されちゃうかもしれない状況の中でロックやってるのに、それでも「この国を愛してます」って歌うなんて痺れました。松本剛作品のヒロインは可愛いのにどこか影もあるのがいいですが、今作のヒロイン緑ちゃんにはカッコよさもあった!
これ原作あるのかぁ。スゲーな。
小説(?)の方は読んでないけど、これすごい感情が揺さぶられた。
端的にいえば、売れる曲ばかりを作らされたがためにロックを失った主人公が、中国で出会った仲間と共にバンドをする話。なのだが、89年の中国という舞台がそこに強烈な物語を生み出している。
緑の恋人、劉の撃ち殺されるエピソードは、残された人々、とくに緑の心情を想像するだけで痛みすら感じるほど凄惨に描かれている。その痛みを感じるほどの描写力、そしてそんな中でも懸命に生きる登場人物の在り方がこの漫画を傑作たらしめているのだろう。
後に読み返すとしても今のうちに読めてよかった。