兎来栄寿1年以上前編集毎月行われている #新刊を語る会 という集まりで、先月の新刊として今日最も多く集まったのはこの作品でした。 現代日本に暮らす私たちの多くは毎日ご飯をお腹いっぱいに食べられることを当たり前だと思っていますが、それがどれだけ人類史的に見て稀有で貴重な状況かということを改めて考えさせられます。 舞台は19世紀。余りにも極まった貧困故に日々の食べる物にも苦労している主人公がアイルランドからゴールドラッシュに沸くアメリカへ渡って一攫千金を狙う物語。 まず、絵が良いです。すっきりと読み易く、それでいていざという時の表情や迫力も十分。マンガとして純粋にレベルが高く、引きつける力が備わっています。 今は読者の目が厳しく少しでも考証的におかしい所は突っ込まれる時代ですし、当時実際にあった事件や差別の描き方にも細心の注意を払わねばならないので昔にくらべて歴史マンガもやり難い時代かと思います。そんな時代にあって、帯で野田サトルさんが語るようにこうした骨太で面白い歴史マンガを送り出して下さる心意気に感謝です。 歴史マンガでありながら、ゴールデンカムイのように歴史に詳しくなくとも楽しめるので誰にでもお薦めできます。4わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじ1848年、カリフォルニアで発見された一粒の黄金をきっかけに始まったゴールドラッシュ。黄金発見の翌年、1849年。噂は世界中へ広がり、野心家たちが無名の田舎町へと押し寄せていた――。同じころ、アイルランドを襲った未曾有の飢饉で全てを失ったアメリアとコナーの貧乏主従も、人生逆転を期してカリフォルニアへ向かう。大西洋を越え北米大陸を横断する遙かな旅が始まる!続きを読む
毎月行われている #新刊を語る会 という集まりで、先月の新刊として今日最も多く集まったのはこの作品でした。
現代日本に暮らす私たちの多くは毎日ご飯をお腹いっぱいに食べられることを当たり前だと思っていますが、それがどれだけ人類史的に見て稀有で貴重な状況かということを改めて考えさせられます。
舞台は19世紀。余りにも極まった貧困故に日々の食べる物にも苦労している主人公がアイルランドからゴールドラッシュに沸くアメリカへ渡って一攫千金を狙う物語。
まず、絵が良いです。すっきりと読み易く、それでいていざという時の表情や迫力も十分。マンガとして純粋にレベルが高く、引きつける力が備わっています。
今は読者の目が厳しく少しでも考証的におかしい所は突っ込まれる時代ですし、当時実際にあった事件や差別の描き方にも細心の注意を払わねばならないので昔にくらべて歴史マンガもやり難い時代かと思います。そんな時代にあって、帯で野田サトルさんが語るようにこうした骨太で面白い歴史マンガを送り出して下さる心意気に感謝です。
歴史マンガでありながら、ゴールデンカムイのように歴史に詳しくなくとも楽しめるので誰にでもお薦めできます。